日本食人気が拡大、背景に“安心安全”日本ブランドの信頼
ベトナムの飲食市場は著しい成長を見せている。多くの新しいレストランやカフェが誕生し、拡大が続いている。中でも、日本食レストランの発展は目を見張るものがある。
■ベトナムで好まれる日本食、大手チェーンも拡大計画
ベトナムにある飲食店は約54万軒。その内訳は、小規模食堂:43万軒、外資系レストラン:8万軒、カフェやバー:2万2,000軒、ファストフード:7,000軒となっている。
ベトナムにおける日本食レストランの発展のスピードは速い。背景には、子供に安心安全なものを食べさせたい、あるいは日本式で子供を育てたいというニーズの高まりがある。特に果物や新鮮な魚介類が、続々とベトナムに流入している。
Foodyによると、ベトナムには1,000軒の日本食レストランがあり、ホーチミン市だけで730軒あった。そのうち50%の店舗が日本人による経営だが、客の90%はベトナム人。日本食はベトナムで好まれる傾向にあり、現在も非常に競争が激しい。
大手食品チェーンのGolden Gate社は2018年中に316店舗を、Redsun社は2021年までに450店舗を展開する計画を立てたが、特に力を入れるのが日本食レストランだ。
現在、ホーチミン市のYen Sushi、Sushi Hokkaido Sachi、ハノイのKimono、New Sake、Sushi Houseなどの高級日本食レストランが絶大な人気を誇る。5つ星ホテルやリゾートでは、2018年6月にオープンしたMarriott JW Ha NoiのレストランAkira Back、ホーチミン市日航ホテルで長年経営を続ける富士などが人気だ。
ベトナム人消費者は、美味しく、健康に良く、安心安全で衛生的な食品に対し、これまで以上に強い関心を示している。オーガニックなどの安全な食品や日本、アメリカ、オーストラリア、フランスなどの先進諸国の輸入食品が特に人気を集める。中でも、日本ブランドへの信頼は高く、日本食品を選ぶ消費者は多い。
■流通網の拡大と品質の維持が重要
Akuruhi、Genki Japan House、Simba、Tokyo shop、Tokyo martなど、多くのサプライヤーがあらゆるルートで日本食品を輸入・流通させており、AEON、FamilyMart、MINISTOPなど日本の食品を扱うスーパーやコンビニエンスストアが続々と誕生している。
JETRO(日本貿易振興機構)や経営コンサルタント会社Forval Vietnam社によると、日本のサプライヤーはベトナムでの流通拡大を進めており、ベトナムをビジネス発展のための戦略的市場と位置付けている。そうした動きから、日本貿易商談会が日本やベトナムの各地で開催されている。
2018年6月、Forval Vietnam社は、Genki Japan House、Dinh Phong、Simba、Golden Gate各社を八戸市に招き、青森県でホテルやレストランへの供給を専門とする水産、加工、調味料などの企業22社との商談会を開催した。
最近では11月25日から12月2日まで、JETROに招待されたGenki Japan Houseが、オーストラリア、アメリカ、ポーランド、フランス、中国、タイを代表する6企業とともに、沖縄と熊本の商談会に参加した。日本の加工工場や食品卸売業者など115以上の企業と交渉した。日本の生産者と直接コミュニケーションを取り、理解を深め、ベトナムで展開する商品を選ぶ貴重な機会となった。
日本食品市場にも様々あり、日本から直接輸入した製品だけでなく、日本以外で生産されたものもある。シンガポール、タイ、インド、中国、ベトナムの合弁企業で生産された製品などだ。レストラン、ホテル、一般消費者は、用途や求める価格帯から自分に合った商品を選ぶことができる。
日本食品を扱うベトナム企業が、日本食品の品質を維持し、客の心を掴むには、食品保管、販売、流通チェーン、正確な市場分析、原産地、品質検査の結果などあらゆる点に配慮しなければならない。
(Doanh Nhan Sai Gon 12月12日,P23)
(2019/04/18 06:31更新) |