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コラム

チベットからベトナムまで――メコン泳いで4,400km


 フランス人男性Remi Camusさんが、チベットからメコン川をはるばる4,400km泳ぎ、ベトナムを訪れた。

 「2011年にオーストラリア縦断マラソンをやっている時に、砂漠の中で自分のおしっこを飲まなくちゃならなかった。その時思ったんだ。世界にはまだまだ、安全な飲み水が得られない人が、たくさんいるんじゃないかって」。29歳の彼は、冒険の理由をこう語る。

■「泳ぎたいだけさ」

 5,300kmの道のりを走った、オーストラリア縦断マラソンを終え、彼は1年4カ月ほどかけて、約4,400km、メコン川をつたい5カ国を泳ぐ準備をした。

 この間、親友らがボード作りを手伝ってくれた。リバーボードという冒険家たちが川を渡るのに使う、上半身を乗せ、自分の足で泳ぐものだ。岩にぶつかっても耐えられるような補強を施し、人のいない森の中でも使えるよう、ノートパソコンや携帯電話のバッテリーを充電するソーラーパネルも取り付けられた。両脇には、重要書類や電子機器などを入れる、水が入らない仕組みの箱もある。

 そして2013年10月、彼はチベット・デチェンからバスに乗り、ビザで認められたメコン川の場所まで行った。しかし近くまで来ると、武装警察が車両に乗り込み、所有品やここにきた理由を問い詰めた。

 その時Remiさんはメコン川にボードを持ち出し、こう言った。「泳ぎたいだけさ」。

 そして彼は、チベットの流れに身をゆだね、その旅路を始めた。

■思いがけないご馳走

 ある晩、岸で寝る場所を探していると、中国の漁師達が、水上家屋に招待してくれた。食事をご馳走になり、ビールも飲んだ。そして夜9時過ぎ、疲れて眠ろうかというRemiさんを彼らは山に誘う。

 「ウェットスーツしか着ていなかったし、もう夜9時だぜ。でもまぁ、行ってみるかなって」。

 連れられて登った山には、澄み切った空が広がり、水力発電所の光が輝いていた。そして山上の家に立ち寄った。「気をつけないとな。ロウソク1本しか持ってきてないからな」と出て行った漁師達はまもなく、丸々太った幼虫の入った大きな蜂の巣を持ち帰ってきた。

 「それを油で玉ねぎとかと炒めたものがテーブルに載ったんだけど、最初は何に使うのかまったく分からなかった」と言う。待っていると、彼らはその幼虫を口に入れる。「だから僕も試した。そしたらもう、美味しくって」腹を満たしたRemiさんは、山を降り水上家屋のなかで、眠りにつく。

 メコンの上流は山間を流れているため、滝を越えねばならないこともある。あるとき、しっかりと見当をつけて飛び込んだつもりだったが、大岩にぶつかり、深い場所にはまってしまった。「5秒、いや10秒くらいかな。うねる水の中に巻き込まれて、死ぬかと思ったよ。でもその時に、ボードが助けてくれたんだ」。

■警察に妨害されたラオス

 そうして訪れたラオスだったが、「陸に上がれって言われて、全部持ってかれたんだ」。

 2014年1月、彼はビエンチャンまで泳いだところで、警察に捕まる。

 調査する、所持品は没収、待て、そう言われ彼は、1カ月あまりラオスで足止めされた。来る日も来る日も警察に出頭したが、なぜ自分が捕まったのか、とても理解できなかった。その後、警察は荷物を返してくれたが、この川で泳いではならないと言われた。

 「読め」と、メコン川の規則がまとめられた700ページほどの本を渡されたのだが、「第1章に人々は自由にメコン川を往来できるとちゃんと書いてあった。だから僕を妨害することなんてできないんだ」とRemiさん。

■カンボジアの汚染

 2月7日、Remiさんは再び、メコン川に飛び込み、旅を続けた。

 「メコン川から直接飲み水を得ている村を幾つも通った。中には沸かしている家もあったけど、沸かしただけじゃあ、水銀とか危険な重金属は取り除けない」下流に行くほど川は臭い、そして彼の足は腫れ、痛むようになっていた。

 腫れはひどく、痛む一方で、Remiさんはフィンを片方外し、片足で泳がざるをえなくなった。痛む足に、さすがに休まなければ、と彼は28時間連続で泳ぎ、疲労困憊の状態でプノンペンに到着、陸でまた足が動くようになるまで6日間休んだ。

■ベトナムの逆流

 ベトナムに入り、Dong Thap省Hong Nguの川岸でハンモックを吊るして寝ていると、公安に起こされ、ホテルに宿泊するよう求められた。

 それ以来、どこを泳ごうとも、睡眠はホテルで取らなければならなくなった。「どうして陸に上がって、バイクでボードをホテルまで運んでもらって、また次の日にはバイクで川まで出なくちゃならないんだ。僕はハンモックもテントも持ってるし、中国からここまで川岸で寝てきてたんだ。毎晩、毎晩、ホテルに行くなんてヤだね、お金もかかるし」と苦笑い。

 もうひとつ想定外のハードルがあった。それは潮の満ち引きだった。「一生懸命1時間近く泳いでたら、川岸の人が笑うんだ。確認すると200mしか泳いでなかった。住民が、ちょっと上がれって、潮の満ち引きを教えてくれた」その時から彼は、泳ぐスケジュールを変え、泳ぎ始めるのは昼の12時から、元気なら夜通し泳いで、そして陸に上がり、水を待つようにした。

 4月9日、Remiさんは、Tien Giang省Cai Be県からバイクタクシーを使ってボードを川まで運び、また泳ぎ始めた。「あと79kmで南シナ海。そこまで泳いで、ホーチミン市に行って、寝床を見つけるよ」。

 この6カ月あまりの旅路を終えれば、彼はこのように長い川をリバーボードを使って泳いだ世界で2人目の人間になる。最初の人は、あのアマゾン川を泳いだ。

(Thanh Nien)


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(2014/04/19 07:23更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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