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コラム

幸運はこぶ、幸せはこぶ、財神さま


 昼、サイゴンの焼け付くような日差しのなか、1区Dien Tien Hoang通りには、宝くじ片手に歩く、財神さま(お金の神様)がいた。

■軍隊から教壇へ

 財神さまに扮しているのは、Truong Minh Tanさん。人は彼を「宝くじの財神さま」と呼ぶ。全国で宝くじを売り歩いて24年、おそらく彼が、ベトナムで最も歩いた人かもしれない。

 ホーチミン市で生まれ育ったTanさんは、言葉も性格も、明るくやさしい南部人。私たちが記事にしようとしていることを知った彼は、やさしく笑って、首を縦に振ってくれた。

 1977年、国の呼びかけに応じて、若かりしTruong Minh Tanは軍に志願、カンボジアで戦った。5年間軍に服し、除隊した。

 解放からしばらく、国はまだ数多の困難を抱え、多くの新経済地域で教師が足りなかった。彼はまた志願して、Song Be省(現Binh Phuoc省)Phuoc Long県で字を教えた。

 教師という高尚な仕事が、熱意溢れる男を引き止めるかに思えたが、教壇に立つこと6年、マラリアに何度も襲われ、あわや、ということもありチョークを握る力もなくなり、学び舎を離れることを決めた。

■杖をついて立ち上がり、決めた行く道

 病気で寝たきりになり、妻子に養ってもらうありさま。何度も、心で泣いた。俺は廃人になってしまったのか。

 彼は、杖を探し、自力で立ち上がる練習をして、体力を取り戻していった。その時頭によぎったのが、自分の生きる道は、宝くじを売ることしかない、ということだった。カネを稼ぎつつ、健康を培うことができる。

 妻子に別れを告げ、数万ドンの元手をポケットに突っ込んで、サイゴンにやってきた。しかしサイゴンという街は、なんと人の多いことか。当時は宝くじ売りも、蟻のようにおり、とても競争できなかった。どうすればいいのか、何か人と違うことをして、自分に注意を惹かなければ、売ることなどできない。いく晩も考えた。
ふいに、壁にかけてあったカレンダーが目にとまった。そこには、やさしく微笑む、財神さまの姿があった。

 これだ。彼はペンをとって紙に財神さまの衣装を書き付け、布を仕立て屋に持ち込んだ。

■今日もよき日でありますように

 しかし、いざその衣装を着て、売りに出てみると、笑うに笑えないトラブルに直面した。キチガイに思われたり、子供たちに付きまとわれ、イタズラされたり。

 普段彼は4時30分に起床し、朝食をとり、化粧をして6時には出かける。元気がいい時は200枚、普段は150枚を預かって、売り切ったら仕事を終える。何年も宝くじ売りをして、代理店に商品を戻したことはないという。

 財神さまは、幸運や喜びをもたらす神様。そんな考えから、欲しい人に呼び止められるのを待ち、つきまとうような、客が嫌がることはしない。宝くじ1枚1枚に、みなに新しい日の喜びをもたらすように、そんな願いを込めている。売れれば笑ってこんな言葉をかける。「今日もよき日で、幸運が訪れますように」。

■「宝くじ売り」という真っ当な仕事

 1日に歩くこと30km、これに365日、24年をかければ、その数字はとてつもないものになる。

 しばらくサイゴンで宝くじ売りをした後、Dong Nai省、Binh Duong省、メコンデルタ各省を渡り歩き、今度はTay Nguyen、ダナン、Hue、Quang Triと売り歩いた。ひとつの省に2~3年いるため、どこの街も、手に取るようにわかる。「人は、余裕があってはじめて旅行に行くでしょう。私は貧しいから、宝くじ売りをしながら観光してるってわけ。24年も宝くじ売りをして、もう全国どこでも行ってしまったけどね」。

 彼は、宝くじ売りも、ほかのさまざまな仕事のように、真っ当な職業だと思っている。彼のような宝くじ売りは、数百、いや数万人といる。その一人ひとりが、国を築くレンガをひとつずつ積み上げている。

 しかし長年仕事をしていれば、面倒なことも多くある。ホーチミン市のBen Thanh市場やAn Dong市場、ダナンのHan市場、HueのDong Ba市場などでは、警備員が中に入れてくれない。泥棒と思われるだの何だのと理由を説明されるが、「泥棒なら公安が面倒を見るでしょう。私は一人の国民であり、善意の物売り。入れないなんてことがありますか? それに財神の姿で宝くじを売り歩いているのは、ベトナム広しと言えども私だけ。何か間違ったことをすれば、隠れるところなどありませんよ」。

 ベトナムでは宝くじ売りは非常に多く、毎日何億枚と売り、国に利益をもたらしている。しかし正しい関心が得られていない、そう彼は嘆く。

■「財神様」とでも書いておいてください

 生きるために宝くじを売り、ちっとも豊かではないが、困っている人を見れば、助けずにはいられない。

 迷子が腹をすかせていれば、ご飯を食べさせて、バイクタクシーに乗せる。中部にいるときには、天災に襲われた人々を見て心を痛め、なけなしのお金をかき集め、新聞社を訪ね、そっくり寄付した。

 新聞もよく読む。そこに苦しんでいる人々がいれば、「なければ20万~30万ドン(約10~15ドル)でも出します。すこしでも、励ましになればと思うんです」。新聞社などで寄付をし、連絡先をと記帳を求められれば、彼はこう言っている。
「『財神さま』とでも書いておいてください」。

(Cong An)


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(2012/05/26 07:59更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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