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コラム

「人道の引き金」、その記憶――執行人が語る銃殺刑


 2012年1月1日から、死刑囚が刑の執行を受けるために、射撃場に足を踏み入れることはなくなる。これからは、薬殺という、より痛みの少なく、より心の楽な方法がとられる。銃殺刑の刑場の扉が永遠に閉ざされる前に、その記憶を取材した。

■芥子菜畑と刑場

 Son La刑務所の幹部がいなければ、Chieng Mung山(Son La省Mai Son)の山腹が、死刑を執行する刑場であったとは思わなかっただろう。周囲の景色は非常に穏やかで、死刑囚が犯した罪の代償を、法律の前で支払う場所として考えられているような、身の毛がよだつようなものは、何もなかった。

 国道6号線を折れ、その実が熟したコーヒー畑を500mほど進むと、Chieng Mung刑場が見えてきた。

 コーヒー畑の後ろは、芥子菜や緑豆の畑がどこまでも続く。Son La刑務所のVu Huu Sang副所長によると、この芥子菜や緑豆は、ここが刑場でなくなることを知ったThai族の人々が、数カ月前から植えているものだ。刑場の建物はまだ撤去されておらず、死刑判決文を読みあげた場所も、セメント舗装が残っている。

 しかしこれだけでは、ここが刑場であったと思わせるには十分でないだろう。残されているもので、刑場を思い起こすに十分なものは、緑豆の畑に残る、執行時に死刑囚が背中を預けた、根元近くで切られている対の4本の竹柱である。この柱に最後に背中を預けた死刑囚は2人、2011年6月29日、Chieng Mung山腹はじめ、刑場として使われたSon Laの山々は、その使命を終えた。

■公開処刑から薬殺へ

 Son La刑務所に30年近く勤め、幾つもの死刑執行に立ち会ったSang氏は、刑場の様々な時を目にしてきた。「以前は、どこか許可の出た場所で執行していました。このChieng Mung刑場ができたのは、2004年のことです」。

 当時、死刑を執行する場所は2つあった。ひとつは、死刑囚を事件を起こした地域に戻し、市民に公開し、執行するもので、もうひとつが、山腹など、住宅地から離れた空き地を刑場とするものだった。それだけに、山岳省であるSon Laには多数の刑場がある。

 執行方法にも変化があった。Sang氏によると、10年ほど前までは、死刑囚が事件を起こした地域での、移動刑場による執行もなされていた。その他の死刑執行でも、市民が見ることができるよう、地域放送で時間などが事前に知らされていた。その後、秩序を保つためより秘密裏に行われるようになった。「刑場、その記憶は永遠に過去のものになる。薬殺を行う刑場が、いま刑務所に作られている。私たちも、執行にあたっての複雑な気持ちが、少し軽くなった」Sang氏は、残る竹柱の側で語った。

■心洗う酒宴

 Son La弁護士会副主任Lo Xuan Le氏。かつてSon La省公安司法防衛警察室長を務め、多数の死刑執行を指示してきた。おそらく彼が、Son Laの刑場の秘密を最も多く知る人間だ。かつては死刑執行を直接行い、そこから執行を指示する立場になった彼は、執行に携わる人間の気持ちを、よく理解している。

 Son Laでは毎年、5~7件の死刑が執行されていたという。公安、医療、地域自治体、執行委員会と様々な機関が携わるが、「やはり直接銃を構える人間が、最もストレスを感じる」とLe氏は言う。

 このストレスをいくらかでも取り除くために、執行を指示する立場として彼は、公安の規程にないことを行った。

 通常、死刑執行前には、3日間の練習がある。彼はそのうち1日を、「精神作業」に割いた。「犯罪者でも、人の生命に終止符を打つその銃を握る人間が楽しいはずはない」。その1日は、その気持ちをいくらかでも楽にするためのものだった。自身も、執行隊長に付いて、「人道の引き金」を何度も引いた。その隊長に、心理的な問題が見られたためだ。「付いていくことが規程違反であることはわかっていましたが、私も何度も経験していますから、部下の気持ちを、汲んであげたかったのです。彼にそのままやらせて、不運にも目標をはずせば、任務をまっとうできなかっただけでなく、彼自身、隊全体の心理に重く影響します」。

 こうしたLe氏が行った例外の手続きは、部下達がよく覚えている。毎回の執行のあと、隊の人間は彼に連れられ、呑みに行った。そこで心を軽くして、帰宅させる。この規程外の酒宴は、Le氏の定年退職後ようやく語られた、Son La省裁判所との「密約」だった。裁判所は、Le氏が部下を「精神作業」に連れて行く、少しばかりの費用を支給していた。

 だがこれが最大の秘密というわけではない。Le氏もまた少数民族(白Thai族)の人間だが、部隊にはThai族、Mong族、Muong族と少数民族が多数おり、毎回の執行のあとに彼は少数民族の彼らに休暇を与え、家族のもとに帰した。しかしその主な目的は、死刑囚の魂が迷わず成仏するよう、彼らが祈りを捧げるためのものだった。20年近くのあいだにLe氏は、部下に突然の休暇を与える何百枚もの書類にサインした。

 いまも彼は、自分のした規程にない行動が、隊や彼自身の気持ちを軽くすることに役立ったと信じている。

(Tuoi Tre)


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(2012/01/07 05:10更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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