Vinashin――ベトナム造船業のけん引役
ベトナム船舶工業グループ(Vinashin)が自ら設計、建造、運転に成功した最初の製品は、8,500トンのフローティングドックで、ベトナムでは過去最大のものだ。続いて国際水準の6,500トンの船舶建造に成功、イラクや日本から受注するようになり、輸出用造船の新時代を切り開いた。
さらにVinashin Sunと名づけられた1万1,500トンの船舶を建造し、Vinashinの名前と信用は、国際的に知られるようになった。質の高い6,500~5万3,000トンの船舶は、日本、韓国、ノルウェー、イスラエル、オランダ、デンマーク、ドイツ、イギリス企業の発注により、Bach Dang、Ha Long、Nam Trieu、Pha Rung、Ben Kien、Song Camなどの造船所で造られている。近く、10万トンの船舶建造に着手することになっている。
新製品の製造と並行し、技術や人材、資本まで全面的な投資戦略を立てている。工場建設・拡張に意欲的で、大型造船所の新規建設、最新機器、ハイテク、設計ソフト、先端造船技術を導入している。
Bach Dang、Ha Long、Nam Trieu、Pha Rungの造船会社は主に1縲恊薄怎gン級の船舶を建造し、Ben Kien船舶工業、Song Cam造船所はこれより小型の、工事用船、救助船、客船といった専門性の高い船舶を建造している。Sai Gon船舶工業、Sai Gon航海造船工業は、大型船舶に強い。
新規造船所の建設プロジェクトは特に関心が高い。投資総額約5兆ドン(約3億1,250万ドル)のDung Quat船舶工業のプロジェクトは、10万DWT船舶を建造するためのものだ。VinashinのPham Thanh Binh会長は、造船用鉄鋼の生産、大出力のエンジン供給、エンジン設備の組立・製造を行うため裾野産業を拡大し、2010年までに国内調達率を50~60%にする方針だと話している。
人材育成にも力を入れており、毎年幹部や技師を国内外(ポーランド、日本、デンマークなど)で研修させ、独自の技師育成学校も所有している。さらに、船舶技術科学研究所を研究・技術幹部の育成能力を備えた船舶技術学院にするよう政府に提案している。
国際市場参入のため、Vinashinは引き続き中国、ドイツ、デンマーク、スウェーデンなどヨーロッパ、アジアの造船先進国との関係を強化し、新技術を取り入れ、製品輸出を促進している。同時に中東や東南アジア、アメリカでマーケティングを強化し、ポテンシャルのある地域で販売ネットワークを広げている。
2007年、ベトナム造船分野は世界の造船産業国トップ5にランクインした。この成果に対するVinashinの貢献は非常に大きい。しかしVinashinの経営総責任者Nguyen Quoc Anh氏は、現在の問題は、ベトナム造船分野が真に国の重要経済分野になるためその地位を維持し更に発展することだ、と語っている。
(Dau Tu)
(2008/03/24 06:35更新) |