ベトナム:企業と学校が提携、有能な人材育成
Unilever社が4月6日に開催した就職フェスティバルには、大学生約1,000人が参加した。この中から営業、販売、人事、財務など各部署のマネージャー実習生として30人が選ばれ、3年後には中でも優秀な実習生が未来のマネージャーとして採用される。
ここしばらく続いている有能な人材の不足という状況のなかで、優秀な学生の青田買いを重視する企業は増えている。現在最も効果的な方法として各企業が実施しているのが、大学・短期大学との提携による人材育成・確保である。
ホーチミン市工業大学とITエンジニア育成で提携しているIntel社は3月、Ly Tu Trong技術短大、Hung Vuong工業技術校、Thu Duc業務技術校と技術訓練で提携することを決めた。Renesas Design Viet Nam社も、ベトナム進出時から工科大学などとエンジニア育成で提携している。
第2 Sai Gon縫製社は今年、市内の縫製系短大の30~50人に内定を出した。2004年からこれまでに、学校との提携で学生約100人を採用、各部署でマネージャーを務める人も多い。
国内企業も人材確保に力を入れるようになっている。Hoa Sen社では、Ba Ria-Vung Tau省Phu My工業団地に間もなくできる子会社の人材を確保すべく、ホーチミン市国家大学経済学部と提携した。同大学3~4年の優秀な学生を実習生として受け入れ、専門性や技術向上を支援、将来のマネージャーを育成する。
優秀な学生に対する就職支援事業を、企業のブランド向上やPRのひとつと考える企業も少なくない。企業が実施している就職イベントや職業訓練合宿には各学校の最終学年で学力、語学力が高い学生が参加、採用されれば外国での研修やマネージャーのポスト、外国への赴任チャンスもある。
就職希望者の立場から見れば、競争率100倍といった場合もざらではなくハードルは高い。Unilever社では1998年からこれまで毎年先のプログラムを実施、毎回数千人が参加しているが、この8年間で採用されたのは200人。マネージャー職に就くのはさらに少ない。なお今年の同プログラムへの書類応募は7,000人分あったそうだ。
(Nguoi Lao Dong)
(2007/05/02 06:52更新) |