コロナ禍で急成長するベトナムのオンライン広告業界
ベトナムにおける新型コロナは人々の外出を制限し、在宅ワークをはじめとして、自宅で過ごす時間を増加させた。こうした社会の動きに合わせて、各企業広告も、伝統的な広告からオンライン広告へと変わっていき、広告業界に大きなチャンスを作り出した。
Yeah 1社のNguyen Anh Nhuong Tong会長は2021年株主総会で、飲料水、ミルク、調味料、健康関連、日用品を扱うそれぞれの企業5社と大型広告契約を結んだと発表した。
契約料はそれぞれ3,000億ドン(15億円)を超えている。また同社は、今年第4四半期にデジタルメディア部門で新規上場株式を公開するための計画を進めていると述べた。
こうした動きはYeah 1社だけの話ではなく、オンライン広告を取り扱う他の企業も「収穫の時期」を逃すまいと、動き出している。
オンライン広告の売上を伸ばすベトナムの各企業
ベトナム大手IT企業VNG社の最新の報告によると、同社のオンライン広告部門は昨年、26%の成長を遂げ、9,830億ドン(49億1,500万円)の売上を計上した。
一方、VnExpressからの電子広告開拓から主な収益を上げているFPT Onlineも、5,990億ドン(29億9,500万円)の売上となった。特に、同社はタイの投資家が運営する企業から100万ドル規模の広告契約を結ぶことにも成功している。
Clever Groupの昨年の売上は4,520億ドン(22億6,000万円)に達し、前年比で24.6%も成長している。
現在、同社に大きな収益をもたらしているのは、▽FacebookやGoogleなどのSNSを通したオンライン広告、▽Google、Coc Cocなどの検索エンジンを通した広告提供サービス、▽その他のデジタル広告などである。
Clever Groupは現在、2023年に同部門からの収益1兆ドン(50億円)達成(全体の10%)、2021年から2023年までの成長率43%達成を目標に掲げている。
Novaon社とマーケティング部門の専門家が、年収5,000億ドン(25億円)に達するベトナム企業167社を対象にした調査結果に基づいてまとめたVietnam Digital Marketing Trends 2021によると、2020年から2025年までのベトナムオンライン広告市場の年平均成長率(CARG)は、21.5%に達すると予測されている。
2020年、新型コロナ感染拡大の影響によって、成長速度は一時鈍化したものの、オンライン広告収入は8億2,000万ドルに達した。2021年は9億5,570万ドルに達すると見込まれている。
(Dau Tu 6月11日,P.8)
(2021/07/02 09:20更新) |