各銀行の今年上半期の業績、引き続き好調
各銀行が2019年上半期の経営結果を発表した。それによると、多くの銀行の業績は引き続き好調で、今年上半期の営業目標を超えることになった。しかしながら、不動産、証券部門などリスクの高い分野への融資は、引き続き厳しい引き締めが行われている。
■利益増加、不良債権は減少
ベトナム外商銀行(Vietcombank)は2019年上半期の納税前の収益が11兆2,800億ドン(564億円)に達し、前年同期比で40.7%増加、年間目標の55%に達しており、半年間の収益では、過去最高を記録した。
また、上半期の貸付残高は9.7%増加しており、Vietcombankは上場銀行の中で、引き続き時価総額でトップを維持しており、各銀行の中で最大の資本を持つ銀行となっている。
6月30日までで、アジアコマーシャル銀行(ACB)は、信用貸付が9%増加し、貸付残高は20兆ドン(1,000億円)に増加、年間収益目標の49%を達成し、3兆6,200億ドン(181億円)に上った。
Sacombank(STB)の今年上半期の税引き前収益は1兆5,000億ドン(75億円)で、年間目標の55%を達成し、前年同期比で1.5倍に達した。不良債権は2.11%から1.96%へと若干減少している。
この半年で、STBは不良債権と既存の資本を11兆ドン(550億円)回収したと発表しており、不良債権回収プロジェクトを展開して、今日までで、同銀行は35兆7,000万ドン(1,785億円)を回収している。
Tien Phong銀行(TPBank)の税引き前収益は1兆6,200億ドン(81億円)に上ると見込まれ、前年同期比で58%の増加、年間目標の51%を達成している。不良債権の比率は1.47%となっている。同銀行は、引き続き個人と中小企業に対する融資を強化していく方針で進めていくという。
軍事銀行(MB)も2019年上半期で、年間計画の55%を達成したことを発表した。上半期で、MBの信用貸付は大きく成長し、審査の質も向上している。不良債権比率は1.1%で、年初に定めた目標の1.5%を下回る結果となった。
An Binh銀行(ABBANK)の上半期の税引き前収益は5,170億ドン(25億8,500万円)に上り、総資産が91兆2,360億ドン(456億1,800万円)となり、前年同期比で102.8%増加、利子による収入が1兆2,660億ドン(63億3,000万円)に達し、前年同期比で120.8%増加した。運用コスト管理も良く、8,090億ドン(40億4,500万円)だった。
■不動産への融資は厳正を継続
各銀行の収益は増加し、一部の銀行に対して、国家銀行が融資限度額緩和の見直しをしたものの、国家銀行は不動産融資に対する引き締めはなお継続していると述べた。
国家銀行の今年上半期の総括で、国家銀行代表のNguyen Quoc Hung氏は、不動産に対する融資は大きなリスクが潜んでいるが、銀行が融資を制限する意味はないと話している。
経済効果が高く、投資家が十分な能力を有しているプロジェクトであれば、審査することは可能だ。Hung氏は、不動産融資には2種類あり、1つは不動産への直接投資、2つ目が不動産または住宅などの消費資産購入への融資だ。
同氏によると、不動産購入のための消費者向け融資を10億から30億ドン(500万~1,500万円)までという条件に規制することは、供給のバランスを取るのに一役買っているという。
現在、安価な商業住宅や社会住宅の供給が不足している中、ほとんどの投資家が、商業や娯楽目的の住宅建設に投資している。一方、前述の融資条件の規制は、国民が安価な商業住宅を購入するための融資を申請する一助となっている。
2018年末に、不動産向けの不良債権は31.7%に達し、中でも直接融資は失速していたが、不動産の個人向け融資は増加している。
(Tien Phong 7月23日,P.13)
(2019/11/01 10:32更新) |