工業生産指数、加工・製造分野で高い成長
2019年5月の工業生産指標は、ここ5年で最も高い成長を達成し、加工・製造分野は工業全体の成長を牽引する主要な役割を担ってきている。注目すべきは、電子製品部門、パソコン、工学製品がここ2か月連続して穏やかな回復を見せてきた。
5月29日の統計局の報告で、2019年5月の工業全体の生産指数は前月よりも4.6%増加し、前年同期比では9.4%増加した。
■多くの加工・製造分野が安定して成長
報告では、▽製造・加工・10.9%(前年同期比で12.1%)、▽発電、供給部門・10.3%、▽水供給、ゴミ・汚水処理部門・7.9%、と各分野で増加しており、鉱業は前年同期比で0.1%減少した(原油・マイナス7.9%、石炭・プラス12.9%)。
各企業の活動状況に関して、統計局の報告では、2019年5月1日時点で、工業分野の労働者は前月比で1.4%増加し、前年同期比で2.2%増加している。その内、国営企業の労働者は0.9%減少、民間企業は1.3%増加、FDI企業は3.1%の増加となった。
前年同日比で、各部門の労働者数は、▽製造、加工部門・2.3%、▽発電、供給部門・1.6%、▽水供給、ゴミ・汚水処理部門・2.2%、それぞれ増加している。一方、鉱業部門の労働者数は0.9%減少した。
■労働生産性の向上と構造改革を
今年5か月の工業生産状況で、統計局は、製造・加工部門は引き続き好調で、大きな成長を見せていると評価した。これは同部門に対するFDI企業の投資によるものだという。
2019年前半の5か月で、製造・加工部門のFDI誘致は最高を記録し、新規認可額が47億4,400万ドルに達し、新規認可額の73.5%を占めた。
また、各プロジェクトへの追加投資額は昨年と比較すると、製造・加工部門の年初5か月の追加額は70億1,100万ドルに達し、総登録額の77.2%を占めた。投資形式では、海外投資家の株式購入で、製造・加工部門に投資された額は50億400万ドルに達し、総投資額の65.4%を占めた。
このように、加工・製造部門の貢献によって工業生産分野は積極的な成長を見せている。しかし、一部の専門家は、ベトナムの工業分野の成長は、企業数、投資額、労働者数の増加によって支えられているもので、労働生産性には目覚ましい成長が見られず、各国との差は開くばかりだと指摘している。
計画投資省が発表した加工・製造部門企業の生産性と競争力に関する報告で、ベトナムの同部門の労働生産性は中国やマレーシアの4分の1、インドネシアとフィリピンの3分の1、インドとタイの2分の1だと指摘され、日本と韓国の労働生産性のたった7%程度しかないという。
さらに、工業分野の中でも、ベトナムの加工・製造部門の成長は主にFDI企業によって支えられている点も指摘されている。
したがって、こうした問題を克服し、工業生産分野を発展させるために、各専門家は、国家ブランドとなるような製品を開発し、周辺地域と世界市場での競争力を強化し、世界のバリューチェーンに深く関わるために、工業生産分野のさらなる発展に力を入れる必要があると検証している。
同時に、加工・製造部門の増加、初期加工・組み立て部門の減少、裾野産業の発展、国内化の推進など、工業分野の構造改革を積極的に進めていく必要があることを指摘している。
(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam 5月30日,P.4)
(2019/09/03 08:43更新) |