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クボタがシェアで圧倒、ベトナム農業機械メーカーが抱える諸問題


農業で最も効果的な仕組みを作り出すためには、機械化が「カギ」と言われているが、実際のところ、ベトナムの農業における機械化の実施率は極めて低い。

この現状が、収穫後の損失率を高い水準に押し上げている。各品目の損失率は、▽米・10?12%、▽水産品・12%、▽肉・14%、▽青果・32%となっている。

実際の土地面積に対して、農業に従事する労働者の数は激減していることに加え、生産の仕組みをシフトしていかなければならないというプレッシャーもあり、機械の導入による効率化は、農業発展政策における最重要課題となっている。

農業分野の機械化は年々増加してきているものの、国内農業機械メーカーは弱く、海外の生産企業に大きくシェアを占められている状態で、この状況が続けば、国内の農業機械分野の「衰退」は目に見えており、輸入した機械や技術に頼らざるを得ないことになる。


■競争が激しい複式収穫機市場


長年、農業農村開発省は2年に1度のペースでベトナムの市場に導入されている国内外の各種複式収穫機(穀物の収穫、脱穀、選別をする農業機械)の評価会を開催し、どの機械がベトナムの土壌や生産に最も合っているのかを精査し、評価が高かった機械の購入を農業従事者に勧めている。

その結果、ベトナムで生産された収穫機は、弱い土壌でも運転できること、倒れた稲も収穫できること、刈り残しが少ないことなどの理由から、概ね高い評価を受けている。

しかし、ここ10年の収穫機の実態を見てみると、その結果とは真逆の現象が起きていることがわかる。日本のクボタ社の収穫機が市場をほぼ独占しているのだ。

農業及びポストハーベスト研究機関のPham Van Tan氏は、以下のように状況を話した。

「ベトナムで生産された収穫機は、ベトナムの農業を研究し、その原理に沿って開発され、ベトナムの土壌に合わせて作られた機械です。しかし、それは評価会のために作られたような機械にすぎません。実際、田畑に出て使用する場合、機械の耐久性に違いが出てきます。ベトナム製収穫機は、クボタ社の収穫機のように一日中使うことができないのです」

「さらに、国内メーカーは、販売後のアフターサービスが不十分で、修理、部品交換、機械の不具合が出た時にすぐに対応できません。国内の農業機械研究センターは、研究を進め、そのモデルとなる機械を作り出すことはできますが、各種農業機器を生産するための投資は行われていません」

「一方、地方の機械企業の組み立ては主に手作業で、大量生産はできず、壊れた部品の交換などに対応できる程度で、実際の農業の需要に応えられるような生産ができません。そうしたことから、国内の収穫機は大きな需要に応えることもできず、モデル、生産性、品質、信頼においても十分とは言えない状況です」

「こうした状況は、生産規模、専門家、資本を有するクボタのような海外企業がベトナムの田畑に合った機械の研究・生産を進めることで農業従事者の信頼を勝ち取り、市場を独占する要因になっています。つまり、国内の機械はすでに敗北しているのです」。

 はっきりしていることは、生産技術と製品の品質は、ベトナム機械分野、そして農業分野における共通した弱点である。機械分野に必要な原料が能動的に取り入れられていないことをはじめ、機械の生産能力の低さや時代遅れの道具を仕様していることなど、特に部品製造部門が脆弱で、機械製品部門の競争力低下の要因になっている。

つまり、ベトナムの農業機械は耐朽性に劣り、実地で使用してみると、非常に多くの時間と労力を費やすことになる。

現在、一部のベトナム企業が質の高い独自製品の生産のための機械設備に投資をしているが、それでも先進諸国の発展スピードにはついていけないのが現状である。

こうしたベトナムの農業機械の現状を見聞きした農業従事者たちは、クボタなど他国の製品を購入するかレンタルする以外に方法がないのである。

Vinh Phuc有機農業合作社代表のNguyen Van Quyen氏は以下のように話した。

「農業に機械を導入するにあたり、私は非常に細かいところまで研究し、結局クボタの製品を使うことにしました。クボタ製の機械は飛び抜けて頑丈ですし、他のブランドに比べてアフターサービスも充実しています」

「合作社がクボタの製品を購入した後、クボタのスタッフは私たちとともに田畑に出て、ともに畑を耕しながら、農民たちに機械の使い方を細かく指導してくれました。さらに、機械に不具合がないかなど、度々顔を出し、整備してくれるのです」

「こうした手厚いサービスもあり、Vinh Phuc省でクボタ製品を使っている農業従事者の比率は70?75%に上っています。さらに、クボタ以外の日本や韓国の製品も大きく成長してきており、ベトナム市場におけるシェアを伸ばしてきています」。


■国内機械企業への信頼は過去のものに


南部ベトナム動力農業機械総公社(SVeam)の会員企業の社長を務めるTran Van Tuan Anh氏は以下のように話す。

「農業機械の品質と生産性についていえば、ベトナム企業の小型農機は、現在クボタの次に市場シェアを占めています。しかし、農業の仕組みも大きく変化し、以前は家庭ごとの小規模農業だったものが、大規模な農園へと変化し、それにあった農機を導入したことで生産量も飛躍的に伸びました」

「一方で、ベトナム国内企業の農業機械の使用は徐々に減少していきました。そうした現状を目の前にしても、ベトナム機械企業は技術開発や新しい機械の開発に投資することができず、その技術は発展することもなく、ニーズに合った十分な生産性を持った機械を作り出すことができないのです」

「それだけでなく、これまでベトナム企業が生産していた小規模農業に使用する@械も、中国製やタイから流れ込んでくる中古製品との価格競争に晒されています。さらに、偽物も多く出回っており、品質は良くないのですが、ベトナム製品の半分の価格で売られており、収入の低い農家をターゲットに販売が続けられています。こうした粗悪な製品がベトナム各地に広がっているのも現状です」。

統計によると、メコンデルタでは、低品質で安価な中国製の小型農機や農薬散布機が市場の55%のシェアを占めているという。

 ベトナム企業の農業機械は、日本、アメリカ、韓国製の高価格な製品と、中国製品、そしてタイの中古品がしのぎを削る市場の「狭き門」の前に立たされている。

農業機械生産は利益が低く、競争は激しいという特徴がある。農業国としてその主導権を握りたいが、先に挙げた様々な要因によって実現することができない。

多くの国営企業は伝統もあり、財政、機械設備、人材の面でも十分な力を持っており、国の支援も比較的簡単に受けることができる。しかし、それでも生産性は衰退する一方で、市場から撤退するしかない。

典型的なのは、ベトナム動力農業機械総公社(以下、VEAM)だろう。20年から30年前、同社はエンジン、耕作機などで農業機械のトップを走り、農家から絶大な信頼を得ていた。ここ数年、VEAMは、様々なプログラムを展開し、遠隔地、僻地への製品の売り込みを進めて、一定の成果を上げていた。

しかし、時が経つにつれ、VEAMは本来の役割を果たさなくなってきた。Honda、Toyota、Fordなど世界の大手との合弁を通して莫大な利益を得たことがVEAMの経営陣に、「ベトナム農業を牽引する」という同社が持つ本来の役割を忘れさせてしまったのだろうか。

報告によると、2018年VEAMは7兆1,300億ドン(356億5,000万円)の利益があり、その内合弁企業による利益が6兆8,490億ドン(342億4,500万円)を占めていた。しかし、VEAMのある経営陣は、毎年の研究開発にかける費用はその1%にも満たず、研究成果も少なく、生産に応用される成果もほとんどないと漏らした。

こうしたVEAMの現実とはかけ離れた方針が、農業機械製造を専門とするTran Hung Dao機械社やSVeamなど、各メンバー企業に直接的な影響を及ぼすことになった。必要な支援を受けることができず、競争は激化する一方で、企業の目の前には、乗り越えがたい大きな壁が立ちはだかり、日に日に市場シェアを失ってきている。

輸入農業機械との競争で、VEAMの製品は「過去の遺産」になりつつある。統計によると、メコンデルタのVEAM製エンジンの市場シェアは20%、農薬散布機は10%、草刈機はたったの5%である。ベトナム農業機械を牽引してきたVEAMも、まだ完全に消えたわけではないが、現状は下降する一方で、VEAMにこの状況を打破し、ベトナム農業機械市場に貢献するような打開策があるとは到底思えない。

農業農村開発省や商工省など専門機関に所属する農業機械に関する研究を進める各種センターは、研究・開発を進め、効果的な農業機械政策を提案するベトナム農業を牽引する主要機関でありながら、ここ数年期待されたような結果を出していないだけでなく、目立った印象もない。

各種テーマの研究は進められるものの、それらが実際に応用されることもない。国内のほとんどの小規模民間企業は自ら手探りで進まなければならず、最先端と認識されている分野で進むべき方向を探さなければならない。

一方で、こうした企業は、農業機械分野の強固な発展を進めるプロセスを定めるために、各省庁の上層部に対して、考え方や実践方法、そしてより新しく、現状に合った発想を求めるという重要な役割を持っている。


(Thoi Bao Kinh te Viet Nam 4月29日,P.20)



※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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(2019/09/02 10:14更新)

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