ベトナム外務省、南シナ海での中国船による沈没事件で声明
外務省の定例記者会見で、Le Thi Thu Hang報道官は3月14日、最近の南シナ海Thi Tu島での状況と、中国船に衝突されベトナム漁船が沈没したことについて、情報が錯綜していることに関し政府見解を発表した。
■ベトナムの法的根拠、歴史的証拠を強調
News Corp AustraliaグループのニュースサイトNews.com.auの3月5日のニュースによると、『海兵隊』とも呼ばれる中国の武装漁船が、Thi Tu島でフィリピンの漁船を追い払った。フィリピンのInquirer新聞では、Thi Tu島(フィリピン名:Pag-asa島)の近くに中国の船の存在を確認したと報じた。
Hang報道官は、ベトナムのTruong Sa(南沙)諸島のThi Tu島における最近の情勢の変化に対するベトナムの姿勢について、ベトナムが自国の所有権に関して国際法の規定に従いTruong Sa諸島とHoang Sa(西沙)諸島に対する法的根拠と、歴史的証拠が十分にあることを強調した。
Hang報道官は、「南シナ海での紛争と、南シナ海での行動規範(COC)の交渉を円滑に進めるための平和的解決策を模索するなか、各当事国は、南シナ海における関係国の共同宣言(DOC)、特に南シナ海の人工島建設による占領行為を行わないことなどを含む、牽制の規定や、状況を複雑したり紛争を増やす行為を行わないことに関する規定の絶対的な遵守が必要になります」と述べ、当事国に対し、責任ある行動を取り、地域の平和と安定のために現実的かつ積極的な貢献をするよう呼びかけた。
記者会見では記者から、ベトナムのHoang Sa諸島で合法的に漁をしている最中に中国船に衝突されて沈没したベトナム漁船QNg90819-TS号に関連し、異なる情報が出ていることについて質問があった。
Hang報道官は、国際法に従ってTruong Sa諸島とHoang Sa諸島に対するベトナムの主権を強調し、同時に、被害にあった漁船の乗組員5人が、中国船ではなくベトナムの船により安全に救助されたことを報告した。
そして、「漁師たちは航行を続け、すでに本土に帰ってきています。ベトナムの各当局は現在引き続き事件の検証と、ベトナム漁師の正当な権利と利益を保護するための措置を実施しています」と続けた。
(Thanh Nien 3月15日,P.5/Tuoi Tre online 3月14日)
(2019/06/21 01:08更新) |