ベトナム発アジア最大級のブロックチェーン開発企業 山本純矢社長インタビュー
2015年に日本人によって設立されたInfinity Blockchain Labs(IBL)社は、アジア最大級のブロックチェーン開発企業だ。
ブロックチェーンは誕生して間もない新しい技術であり、エンジニア人材も不足しているが、山本純矢社長は、ベトナムでブロックチェーン業界の先駆者になる野望を持っている。
Q: ベトナムに来たきっかけは何でしょうか?
A: 私がベトナムに来たのは、全くの偶然によるものです。その前は、大学でコンピュータグラフィックスを専門に学びながら、アルバイトとして入ったアニメプロダクションで、ゲームクリエイトとコンピュータアニメーションの仕事をしていました。
4年生の時に上場企業に営業職として入り、卒業後もその企業に就職しました。2012年の頃、ゲーム会社の先輩から食事に誘われ、たまたまその場に居合わせた、ベトナムで起業した日本人の方と話をする機会がありました。彼と話した後、私は当時勤めていた会社を辞め、新しいチャンスをベトナムで探す決意をしました。
Q: ブロックチェーンの開発を手掛けようと決心したのはいつ頃ですか?
A: 私がベトナムで仕事をするようになってから3年間は、会社の規模は小さく、かけ出しの状況でした。しばらくしてから、志を持った人と出会い、2015年に一緒にInfinity Blockchain Labs(IBL)社を設立しました。
2015年は、Ethereum社が活動を開始し、仮想通貨ビットコインが徐々に多くの人々の関心を引きつけている頃でもありました。しかし、2014年に仮想通貨交換会社Mt. Gox社が破産したことにより、仮想通貨に対する信頼度が著しく低下し、その基礎技術であるブロックチェーンに対しても、懐疑的になっていきました。
ブロックチェーンの企業を設立しようと決意してから1年、私たちはベンチャー企業設立を実現しました。
以前働いていたベトナムのソフトウェア会社は、安く早く開発するという方針でした。しかしそれでは、商品価値を高めたり、経済成長に貢献したりすることはできないと感じました。私たちは、もっと社会に有意義な変化をもたらすことのできる技術を模索し始めました。そこで見つけたのが、ブロックチェーンだったのです。
私は、ブロックチェーンのポテンシャルを活かし、それを社会の発展につなげたいのです。研究と開発が中心ですが、IBLは、事業を最善の形にするための技術支援やコンサルティングも提供しています。
Q: IBLは初期の目標をどのようにして達成しましたか?
A: 200人の社員とともに、短期間でIBLは世界中に幅広いネットワークを築きました。私たちは、起業したばかりの若い会社ですが、アジアで先頭を走るブロックチェーン研究開発企業の一つになりました。また、新しい技術を土台として、有益なサービスを生み出しました。
それと同時にIBLは、ベトナム当局や企業、外国のパートナーとの協力関係を拡大し、強化してきました。ベトナムの司法省やベトナム国立銀行にブロックチェーンの研修を行った最初の企業でもあります。ベトナムの商工業省、科学技術省とも協力しています。
将来的には、さらに多くの成果を残し、ベトナムが世界のブロックチェーン開発の中心地になるよう貢献したいと思います。
(VnExpress 11月13日)
(2019/02/26 07:34更新) |