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コラム |
自閉症の子供“農家”たち
広い土地に香る稲穂、たわわに実るトウモロコシ、青々とした野菜……耕しているのは自閉症の子供たちだ。
■いろんな野菜を栽培
1月のある朝、ホーチミン市Cu Chi県Nhuan Duc村の「Khai Tri特別教育開発支援センター」の先生と生徒たちは、いつものようにセンターの裏にある農場にいた。
ハンドトラクターを押すM君は、興奮した様子で行ったり来たり、土が軟らかくなるまで何度も回る。その後ろでは、若い先生がM君を指導する。
見学に来た親の姿を見つけると、ハンドトラクターを放さぬまま「お父さん、こっち! こっち!」と繰り返す。
友達が時おりM君に代わって運転したり、サツマイモを植える畝を作ったりしている。
キノコの栽培室では、KちゃんとLちゃんが菌床を手押し車で運び、Tちゃんは先生と刈った草を捨てる。Bui Van Duc先生によると、Tちゃんは1年前に入校したときには、着替えなど身だしなみを整えることもできなかったが、今やそれらは“小さなこと”になった。
手のひらサイズに成長したカラシ菜やオクラを見せ、Vo Thi Thuy所長は、「植え方は一列に揃っていませんし、場所によって多過ぎたり少な過ぎたりですが、子供らしいですね。いろんなものを少しずつ植えて、何でも揃うようにしています」と話す。
稲、トウモロコシ、サトウキビ、ニラなどの作物だけでなく、ここの“農家”は田んぼで魚を飼い、ウサギや鶏、アヒルなども育てている。
■自然のなかで身心を改善
ここで畑仕事を担当しているのは、農学修士Huynh Ngoc Dien氏。国会議員でもあったDien氏は定年退職したいま、妻Thuy氏とここで子供たちを支援している。
Huynh Tan Mam副所長によると、施設は1万2,000㎡あり、46人の生徒を預かっている。大半は自閉症の子供だが、ダウン症、注意欠陥・多動性障害、言語障害の子供もいる。多くの子供たちが、思春期頃になると学校の授業についていけなくなり、叫んだり、ものを壊したりするため、退校させられ、だからといってずっと家にいてはストレスがたまり暴力行為が増えるため、保護者がここに預けている。
月曜から金曜まで生徒たちは毎日、7時30分~8時30分、16時~17時に2回畑仕事をする。日差しを浴び、運動して理学療法を受け、子供たちが自然のなかで、働くことの価値を理解することが目的だ。
畑仕事の他に、教養、水泳、スキルなども学び、健康ケア、自身を守る方法、料理の練習などもする。夜にはカラオケをしたり、時には焚き火をしたりして、自分で植えたサツマイモやトウモロコシを焼いて味わっている。
(Thanh Nien)
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(2016/02/20 02:38更新) |
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