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コラム

「あ・い・う・え・お」ばあちゃん、かあちゃん達の小学校


 カラオケを歌いたい、孫達のように読めるようになりたい、両親が付けてくれた名前を書けるようになりたい……Thua Thien-Hue省の文盲撲滅教室に通う女性達の願いは、様々だ。

■足し算引き算トウガラシ

 Phu Vang県生涯教育センターのHuynh Van Hung先生が、週3回、月、水、金曜の夜にPhu Hai村Cu Lai Dongで開く教室に通う生徒はほとんどがもう、孫がいる年齢である。

 教室の生徒全員で声を合わせて文字を読むなか、間違えてばかりのTinhさん(64歳)。Hung先生が注意すると彼女は、「あたしゃ目が悪いんだよ。よく見えないの。黒板のところに行きゃあ読めるんだから」と答える。

 しかし教壇に上ってはみたものの、読みはやはりおぼつかず、これに生徒達の正しい発音による訂正の声が揃うと、教室中が笑い声に包まれた。

 変わって、数字のあいだに入る「>」「<」「=」の記号に生徒が頭を捻る教室の片隅で、おばあさんが自分の計算の話を始めた。Haiさん(60歳)である。

 「市場に行くだろう。買ってきたトンガラシを床にバッとこぼしてさ、それ使って、足したり、引いたり、やってみるわけよ。こっちのトンガラシをあっちにやって、あっちのトンガラシをこっちにやって。こっちをあっちに、あっちをこっちに、そっちをこっちに、こっちをどっちに……? 何度もやってたら、もう何だかわかんなくなっちゃってさ」アッハッハッと豪快に笑うHaiさんに、クラスがどっと沸く。

■「文盲は恥ずかしい」

 途中で、おばあさんが遅刻してきた。

 彼女が教室に入るなり、庭から男性が「いい年したばあさまがお勉強ですか。あぁ恥ずかしい」と冷やかす。これに当のおばあさんは、「恥ずかしいことなんてあるかい。勉強する人を応援しなさいよ。字を覚えりゃ、役場で指紋も押さなくていいんだから」と返す。

 少なくない生徒が、からかいや冷やかしの言葉を乗り越えて教室に来ている。「もうすぐお迎えが来るってのに、勉強なんかしてどうすんだ」と言われた人もいる。

 しかし最も激しく阻止しようとするのは、夫の場合が多い。妻が文盲で字の勉強に行っていることが知られると、メンツがつぶれると考えるのだ。しかしこうして闘いを乗り越えて教室に通う人は一握り、家にいるしかない人も多い。夫が海に出た隙を見計らって、教室に来る女性も多いという。

 Hung先生によると、教えている32人という数は、Phu Hai村の実際の文盲の数より非常に少ない。さらに言えば、文盲の大半は男性なのだが、教室に来るのは女性ばかり。「海の男達の文盲をなくすのは、とても難しいんです。夜になれば海に出て、朝方陸に帰ってくるわけで、とても勉強なんてできないんですよ」と言う。

 男性Vinhさんは、村に文盲がごく当たり前にいる状況を、こう説明する。「昔はとても大変で、いつも食べるものがなかった。村人はみんな漁師だから、男の子は4~5歳になれば父親について海に出る。仕事を始めれば仕事ばっかりで、家にはいない。女の子は女の子で、家事や家畜の世話をしたり、魚を干したり漬けたり、網を繕ったりの1日。だから勉強に行けた人の方が少ないんだ」。

■「文字を覚えたい」それぞれの理由

 生徒達はみな、以前は貧しく、子供が多く、さらには戦争で、文字を学ぶことができなかった。1975年以降、自治体が教室を開いてくれたが、数カ月しか開かれない割に、人々は忙しく、数回しか出席できず、ないも同然だった。

 そして今になってようやく人々は、「役場で指紋を押さなくて済むよう」、つまり、村人民委員会で何か手続きする時には、これまでのように拇印を押すのではなく、ペンを取って署名しようと、そんな決意のもとに学んでいる。

 また別の女性は、「孫が本を開いて何か読んでるのに、こっちができないってのも恥ずかしいだろう? だから頑張ろうと思ったんだよ」と言う。カラオケデビューしたいという女性も多い。「何回か友達に誘われてね。向こうが気持ちよさそうに歌ってるのに、読めないこっちは座って見てるだけなんてね」。

 Hoaさんの願いはもっと簡単だ。

 「両親が生んで名前を付けてくれたわけでしょう。それなのに一度も書いたことがないなんてないでしょう? 勉強して自分の名前くらいは書けるようにならなきゃね」。

■ツケはきっちりいただきます

 しかしこの教室で、文字に一番強い思いを抱いているのはGonさん(59歳)かもしれない。

 50kmほど離れた山あいの村までMam ruoc(小エビの発酵調味料)を売りに行っている彼女は、数日間商いをして、帰宅するなりさっさとご飯の準備をして、教室に顔を出す。食べるのは勉強の後だ。

 37年、待ち侘びた教室だ。かつては戦争で家は貧しく、兄弟も多く、学校に行けなかった。1978年、結婚して1年ほど経った頃に、自治体が文盲をなくすための教室を開き、彼女も参加、文字をグネグネと幾つかは書けるようになった。

 しかしGonさんは商売をして、買う人はたいてい数カ月後にまとめて払う。彼女はそれをノートにつけておかねばならない。

 ところがそのグネグネ文字では、ページを改めて開いてみても、いったい自分が何を書いたのかがわからない。「もう何度もケンカになったさ。でも証拠を出せばこっちが負け。なんて書いてあるのかわかんないんだから。商売のために、今度はちゃんと文字を覚えるのさ」。

(Tuoi Tre)


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(2015/12/26 01:56更新)

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