韓国朴大統領「科学技術分野でのさらなる協力拡大を期待」
9月7日から11日までベトナムを公式訪問している韓国の朴槿恵大統領が「Tin Tuc」紙のインタビューに応じた。
Q: 1992年の外交関係樹立以来の両国関係の発展をどう評価していますか?
A: 20年を短い時間とするなら、両国関係は本当に非常に大きな発展を遂げたと思います。この20年で二国間の貿易は44倍、投資は250倍、人的交流は80倍に拡大し、ベトナムは、韓国のODAを受け取っている最も大きな国でもあります。ベトナム人、また韓国人の10万人あまりが、互いの国に居住しており、韓国企業1,800社で、50万のベトナム人労働者が生産に汗を流しています。
ベトナムには韓国語学科を持つ大学が13校あり、2,500人が学んでいます。より重要なことは、生涯の伴侶にお互いの国民を選んだカップルが5万組おり、いま私たちは、友人関係を超えて、家族のような親しい関係になっています。
韓国政府は、この大きな関係の発展に基づき、両国関係を一層促進していきます。
Q: 両国の戦略的パートナーシップの展望をどう見ていますか?
A: 今回の訪問で、2009年に構築したベトナムと韓国の戦略的パートナーシップをより深く発展させ、向こう20年の共通の繁栄を得る重要な要素をつかめればと思います。
これまでの成果を踏まえ韓国政府は、パートナーシップをより深化させ、持続的に成長させていくために、戦略的協力の範囲を拡大し、環境・気候変動、科学技術、エネルギー安全保障、情報通信、バイオ技術といった新しい成長分野で両国共通の利益を得ていきたいと思います。
Q: 今回の訪問は、ベトナムとの全面的な協力拡大に向けた“トップセールス”とされていますが、経済、貿易、投資での今後の協力促進計画を詳しく教えてください。
A: ASEAN外遊の最初の国にベトナムを選んだのは、私たちが常にベトナムとの友好関係を重視し、この協力関係をより一層発展させたいと思っているからです。
これまでの投資協力は軽工業が主でしたが、いま私たちは、付加価値の高い多様な分野に拡大させる必要があります。現在両国は、携帯電話、発電ボイラー、海水淡水化設備といった様々な分野で協力を進め、最近では原子力分野でも協力を始めています。
今後、経済協力関係をもう1段階発展させるには、ハイレベルな、包括的な自由貿易協定という政策の枠組みを構築しなければなりません。両国の産業構造は相互補完的な性質があり、両国ともに利益を得られる結果をもたらすと思います。
Q: 科学技術研究分野での協力の潜在力をどう評価していますか?
A: 1995年に科学技術協力協定を締結してから、様々な分野での共同研究や、韓国の科学技術専門家のベトナム派遣、ベトナム人学生の韓国科学技術院(KAIST)留学といった人的交流を通じて、非常に活発な協力が進められています。
2013年6月には、生物素材の共同研究などを行なうベトナム・韓国生物素材研究センターがハノイに設立され、科学技術協力は、将来の潜在力ある分野として期待されています。今回の訪問では、両国の科学技術協力関係がより一層発展する機会となる、ベトナム科学技術院(V-KIST)設立支援に関する覚書を取り交わします。
V-KISTは、韓国の科学技術発展、経済成長に重要な役割を果たしている韓国のKISTをモデルに設立されるもので、科学分野の交流、協力をより一層促進し、ベトナムの科学技術の発展に大きな貢献をすることが期待されます。
またベトナム政府は現在、国家データセンターの整備などICTの発展に非常に努力していますが、韓国は、私たちが優れた技術を多く持つICT分野での協力をさらに拡大したいと思っています。
(Tin Tuc)
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(2013/09/10 03:33更新) |