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沈むホーチミン市、深刻化する地盤沈下


 1996~2010年の調査資料から、ホーチミン市の地盤沈下は一定でなく各地に点在し、帯状に広がっていることがわかる。沈下帯はBinh Chanh県からBinh Tan区、8区、7区、9区、Thu Duc区、12区と広がり、これらの地域の沈下は他地域より極めて速い。現在市で沈下がない、ほとんどないのは開発が進んでいないHoc Mon、Cu Chi県程度である。ホーチミン市水・気候変動管理センターのHo Long Phi所長に話を聞いた。

Q: ホーチミン市の地盤沈下はいつ頃から見られていますか?

A: 15年ほど前までは見られませんでしたが、最近は多くの地域で見られ、その度合いも強まっています。最も著しいのはThu Duc区のHiep Binh Chanh、6区、8区のBen Phu Dinhで、年間2.5cm程度沈下しています。原因は、Hiep Binh Chanhでは近年多数の高層建設物が開発されていること、6区、8区では水道整備の遅れによる地下水の取水と思われます。

Q: 地下水取水による地盤沈下は、将来的にどんな被害をもたらしますか?

A: ホーチミン市の洪水防止施設を無効にしてしまいます。地盤が沈下すれば、排水溝も沈下し、その一方で潮位は増していますから、水がはけないようになります。地下水取水による地盤沈下は広範囲で見られています。

Q: ホーチミン市は何年も前から地下水取水を中止する方針ですが、水道が整備されていないところも多く、地下水の取水禁止は難しいと思います。

A: 水道が未整備の地域もあり、一部では地下水の取水禁止もしっかり行われていません。そのため地盤沈下は今後も起こるでしょう。

 また、いま地下水の取水をやめても、地盤沈下は一定期間は続きます。バンコクではこの約20年、地下水の取水をやめていますが、現在も地盤は沈下しています。ただ沈下の度合いは安定するようになっています。沈下がいつストップするかは、地質構造や地下水の供給状況にもよるため、はっきりとしたことはいえません。地盤沈下が収まるまでにバンコクの一部地域では1mあまり、上海の一部では2mあまり沈下しています。

Q: ホーチミン市がいま地下水の取水をやめても、あと20年程度は安定までにかかると?

A: 1996年からの調査結果に基づき、年間2.5cmを最高の沈下度合いとすると、これまでにホーチミン市では40cm程度下がっている場所があることになります。ただBinh Thanh区のNguyen Huu Canh通りは、この数年で70~80cm下がっています。心配なのは沈下する範囲がますます広がっていることです。

Q: ホーチミン市がバンコクや上海のように1~2m沈下すれば?

A: シミュレーションによれば、市の排水系、潮位調節系統は全て無効化され、排水も、潮位調節もできなくなります。シミュレーションした範囲は1区、5区、10区のTau Hu-Ben Nghe運河沿い約5,000haですが、1~2mの沈下で20%の面積が冠水します。そうなれば、その地域だけで1,000万m3の水をくみ出さなければなりません。市全体では650km2、研究の10倍以上の面積がありますので、くみ出す水の量も10倍になります。雨が降るたびに大量の水をくみ出さなければならないということです。

Q: いますぐにどのような対策を取れば?

A: すぐに着手すべきものは、低地での都市開発制限、地下水取水の厳しい制限、住宅地での水道整備です。いま着手すれば、あと20年で50~60cmの沈下で済むでしょう。もうひとつの対策は、低地に人工湖を作り、水を調節することです。溢れた水をくみ出すのではなく、調整湖をいくつか作り水を貯め、徐々に排水すればよいのです。多額の費用もかからず、効果的です。

Q: 調整湖は何年も前から言及されていますが、なぜ展開されていないのでしょう?

A: はじめ市は、市洪水防止プログラム運営センターに詳細計画作成を任せていましたが、意見聴取が長引きました。そこで市は建築計画局に任せています。現在関係機関で基本的な意見の一致がなされており、市が早期に承認すれば数カ月のうちに展開できます。

Q: この調整湖はどういった地域に建設し、規模はどの程度に?

A: 水が流れていく場所を考え、そこの土地を当てなければなりません。土地が低く、住民の少ない地域を調整湖整備にあて、住民を集めて都市整備するべきだと思います。

Q: 以前は埋め立てて都市整備し、いまは湖を掘る土地を探す。矛盾があるのでは?

A: 以前の過ちは、湖などを埋め立てて住宅地、都市区を造成したことです。6区のBinh Phu住宅地、レーダー基地住宅地などは、以前は窪地で、市中心部から流れてきた水を蓄える場所でした。しかしここが埋め立てられてから、水がとどまる空間がなくなり、その周辺が洪水に悩まされるようになっています。

 遅れてはいますが市は雨水を蓄えつつ、潮位の調整も行う調整湖の整備を断固進める考えで、地盤沈下や気候変動による海面上昇に備えていきます。

(Tuoi Tre Cuoi Tuan)


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(2012/04/11 06:47更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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