財務次官、改正個人所得税法も5年は維持
財務省が発表した個人所得税法改正案に、反対意見が相次いでいる。改正案作成委員長を務めたVu Thi Mai財務次官によると省は、意見聴取のため改正案を関連省庁、地方人民委員会に送っている。財務省のウェブサイトにも掲載し、国民の意見を聞く。
Q: 改正は物価上昇が国民生活に大きな影響をきたしているためと記者会見でおっしゃられましたが、ではなぜ年内改正、または2013年改正として提案されなかったのでしょう?
A: 確かに物価上昇は国民生活に影響していますが、法改正にあたっては様々な要素を考慮しなければなりません。単純にインフレだけではありません。法律の本質は、納税者を増やしていくことにあります。
2013年適用と提案していない理由は、法律の適用期間が2009~2014年の5年間となっているからです。現行法案の提出時には、家族控除について納税者本人につき400万ドン(約200ドル)、扶養家族1人につき160万ドン(約80ドル)とし、一定期間安定させることを明確にしていました。法律の考え方として、政策を安定させることがあったわけです。
Q: 識者からは控除額を現在のような固定額でなく、最低賃金をもとにすべきとの声も上がっています。
A: 2009年から発効している個人所得税法は、最低賃金だけ、物価上昇だけ、または一人当たり平均GDPだけをもとにしているものではありません。今回の改正案もそうです。ひとつの要素だけに基づいていれば、全体性が欠けます。何らかのひとつの指標に基づいているのではなく、あらゆる要素を総合的に勘案しています。
今回の改正も5年の安定を見越しており、この水準が2018年まで続くということです。
Q: ではどういった要素をもとに、控除額600万ドン(約300ドル)と確定されたのですか?
A: 経済社会情勢、生活水準、習慣をもとにしています。法律は個人所得税であり、高所得者税ではありません。個人所得税法の観点は、徐々に納税対象者を拡大し、所得がある人に納税させることにあります。ただ、2011年末までの3年ほどの適用で、個人所得税を納税しているのは国民の1.5%に限られます。うち130万人が給与所得から納税、19万4,000人が個人事業による納税です。
Q: 納税義務を負担とせず、納税者が税を逃れる方法を探さないですむよう、識者からは第1段階の税率を現在の5%から2%に引き下げるべきだという声もあります。
A: 2014年から、草案では扶養控除が240万ドン(約120ドル)に引上げられ、これは国民に余力を与えるものです。被扶養者の数も制限されていないため、負担を減らしていることになります。財務省の試算では、2014年の適用時に提出案では現在第1段階の納税者の70%が、納税をする必要がなくなります。第2段階の70%が第1段階での扱いとなり、8兆1,500億ドン(約4億750万ドル)の税収減となります。
Q: ですが、そのときには国民の所得も上がっているのでは?
A: この8兆1,500億ドンというのは、2014年の所得上昇をもとにしたものです。
(Tuoi Tre)
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(2012/03/19 08:21更新) |