科学技術院長「ベトナムはASEANの宇宙センターに」
12月20日、ベトナム科学技術院は2008~2011年の宇宙科学技術プログラムの総括会議を開いた。Chau Van Minh院長に、ベトナムの宇宙科学技術分野の歩みについて話を聞いた。
Q: 2006年に承認されたベトナム科学技術院の「2020年までの宇宙技術研究・応用戦略」の実施結果をどう評価しますか?
A: 宇宙科学技術はハイテク分野であり、多分野から成り立つもので、その国の科学技術力をはかるものです。ベトナム科学技術院は、「2020年までの宇宙技術研究・応用戦略」に属する、宇宙科学技術プログラムの展開で、大きな発展がありました。
衛星技術に関して院は、フランスのODAと技術による天然資源、環境、自然災害観測小型衛星プロジェクトVNRedsat-1、ベルギーのODAによる、ハイパースペクトル技術を用いた天然資源、環境、自然災害観測小型衛星プロジェクトVN Redsat-1Bを進めています。
日本のODAを用いたHoa Lacハイテクパークにおけるベトナム宇宙センター建設(6億ドルおよび1兆1,000億ドン[約5,500万ドル])も一定の進度があります。プロジェクトには、あらゆる気象条件に対応できる現代的なレーダー技術を用いた観測衛星2基や、自国での衛星製造を可能とするハイレベル人材の育成が含まれます。2020年までのベトナム科学技術戦略および2030年までのビジョンで特に重要なプロジェクトで、ベトナムがASEANトップの現代的な宇宙センターとなるものです。この任務を実現するために政府は、科学技術院直属の国家衛星センターを設立しており、すでに活動をはじめています。
Q: 宇宙科学技術分野に服するハイレベル人材育成のために、院はどのような準備を?
A: この分野における若い幹部の育成は、宇宙科学技術力を培うために非常に重要です。ベトナムと協力している国に若手幹部を派遣しており、初期段階としてフランスで15人が学んでいます。この最初の幹部達が、国の宇宙科学技術分野の核となることを期待しています。
ベルギーや日本との協力プログラムでも、宇宙科学技術戦略に服するハイレベル人材の育成プロジェクトがあります。ほか院直属のハノイ科学技術大学や国内の大学でも、航空宇宙分野の育成プログラムがあります。
Q: 民間企業も小型衛星の研究を進めていますが、院の方針は?
A: 現在、科学者、政策策定者は外国から購入した衛星画像を使っています。独自の衛星があれば、画像の取得で主体的になれます。院はこの画像を経済社会開発に活用し、同時に収入源を作り出すことや、科学技術研究、ハイレベル人材の育成にも活用していきたいと思います。
Q: 宇宙科学技術分野における今後の具体的な目標は?
A: 2020年までの宇宙技術開発戦略に沿って、ベトナムは小型衛星の製造技術の主体化を進めます。2014年までにはVNRedsat-1が打ち上げられます。
(Vietnam Plus)
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(2011/12/29 05:30更新) |