銀行での40万ドル違法取引、現行犯で摘発
経済管理犯罪捜査警察局は3月8日、Duong Thi Thuy Trang、Nguyen Thi Thu HuyenとNguyen Ngoc Tuan、Dao Manh Quanとのあいだでなされた、39万500米ドルの違法売買を摘発した。これらの人物は、外貨の売買許可書を所持していなかった。違法な売買の疑いから、警察は外貨とドンの現金を押収した。
調べによるとTrangとHuyenは、Le Thanh Huongが社長を務めるKhuong&Le投資商業社の社員で、この39万500ドルは社長がEximbankハノイ支店に預けていたものだった。社長はTrangとHuyenに、金販売店Thanh Trungの従業員TuanとQuanに1ドル=21,580ドンで売るために、この金額を引き出させていた。売買および金銭の授受は、Eximbankハノイ支店で行われた。
公安省犯罪防止警察総局Nguyen Tien Luc副局長によると、今後も全国の警察に対し外貨取引の違反取締り強化を指示していく。また公安省は引き続き、国家銀行、財務省などと協力し、規定に反する外貨での商品価格公示や宣伝、商品取引を厳しく検査、処理する。
■銀行の関与は?
この売買について、銀行の関与があったのではないかという本紙の問いに対しEximbank担当者は、「現在の規定では、個人が外貨を保持、携行し、銀行と外貨の売買を行う権利が認められている。その個人が引き出し他人に売ることについて、銀行がその取引を制することはできない」と答えている。
同行は国家銀行に報告書を提出しており、これによると3月8日14時25分、HuongがEximbankハノイ支店を訪れ、39万607ドルを引き出した。15時30分、Hienが84億2,700万ドンを持って同支店の窓口に預けに来た。Hienが書類を書き、現金を銀行の係員に渡した後、金額の確認が行われないうちに、公安が訪れ、その金額を押収した。
Eximbankによると、顧客の預金引き出しと、口座への預入れは、規定、手続きに則って行われたもので、ハノイ支店の幹部は、行内で行われた顧客の外貨売買を知らなかったとしている。
■自由市場での取引は「地下」に潜る
この摘発を受け、ハノイ市では9日、Ha Trung通りやTran Nhan Tong通りなどでの米ドル売買は行われなくなった。一部では家のなかで、または馴染み客だけに取引を行っている。中心部から離れた場所に活動が移される状況も見られている。こういった場所でのドル売り相場は、9日朝には1ドル=21,620ドンとなっていた。
一方ホーチミン市では9日午後も、Ben Thanh市場周辺の金販売店では外貨売買が行われていたが、窓口の下に隠れるなどして金銭の確認が行われていた。1区Nguyen Trung Truc通りの金販売店の店主は、「馴染みの客はこれまでどおり、知らない客、特に大金の取引は慎重に」と話した。また各金販売店の店主によると、このところドル売買をする客の数は減っており、多くの店舗でまったく取引がない日もあるという。
市場での取引停滞から、ドル相場も強く下落している。9日終わりの取引相場は1ドル=21,350-21,500ドンで、朝と比べ200~120ドン下落している。なお国家銀行ホーチミン支店のNguyen Hoang Minh副支店長は、検査を行っているが違反は見つかっていないとしている。
(Tien Phong)
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(2011/03/11 08:27更新) |