レアアース共同開発、日本企業との協力で進める
― 商工業省重工業局長インタビュー ―
このほど日本とベトナムで結ばれた合意に沿い、日本企業各社はレアアース開発事業への早期参加を望んでいる。商工業省重工業局Nguyen Manh Quang局長に話を聞いた。
Q: 日本とレアアース開発で合意しました。まずはどのようなことが行われるのでしょうか?
A: 我が国は、ベトナムでのレアアースの探査、開発、加工の長期協力パートナーとして日本を選びました。日本側は、事業化可能性調査の支援、低金利での融資、先進的で、最も安全性の高い技術の使用、技術移転、人材育成、廃棄物処理での協力など、ベトナムが出した条件に対応できるとしています。
この合意後に、Lai Chau-Vimicoレアアース社と豊田通商、双日が意見交換、合意し、投資法規定に沿い合弁会社設立手続きを進める予定です。
Q: 現在、Lai Chau-Vimicoレアアース社はどこまで開発を進めているのでしょうか?
A: Lai Chau省Tam Duong県Dong Paoレアアース鉱山探査の施工を進めており、今年末には完了する予定です。報告書の作成、埋蔵量委員会への提出は、2011年初め頃に行われる見込みです。
すでに探査済みのDong Paoレアアース鉱山F3鉱体、レアアース鉱石の開発投資、加工の準備については、調査、資料収集、投資プロジェクト立案を行っており、投資総額は1,410億ドン(約742万ドル)、開発能力は原鉱年間11万トンです。主要製品は含有量43%のレアアース精鉱や、CaF2、BaSO4精鉱などです。
プロジェクトの環境影響評価報告も資源環境省科学委員会に審査されており、修正が要請されています。この報告の承認後に同社は書類を作成し、資源環境省に提出、開発・加工許可を申請します。
Q: 先ほど触れた日本企業はどの段階で参加するのでしょうか?
A: 豊田通商と双日はこの問題について、すでに商工業省と会談を持っており、探査、開発から加工まで参加を希望しています。
Q: 未加工の原料輸出を防ぐため、レアアースの開発、加工はどのように行われるのでしょう?
A: 政府の方針、指導は、深く加工し、未加工のまま輸出しない、というものです。ですが、どの程度まで深く加工するのかは、資源、技術の実現可能性、市場や経済効果といった要素を考慮しなければなりません。このような問題は、事業化可能性調査報告立案結果に基づき、分析、試算されます。
Q: 現在のベトナムのレアアースの潜在性は? これまで他の鉱物で見られてきたような、地方が開発許可を出し、環境破壊につながるようなことは起こり得るでしょうか?
A: ベトナムは、レアアース資源の潜在力がある国のひとつとされています。世界のレアアース埋蔵量はおよそ1億トン、中国は3,600万トンです。鉄鉱石、マンガン、鉛、亜鉛といった通常の鉱物とは異なり、レアアースの選鉱、加工には特別な性質があり、高い技術が求められます。ですから、条件がありませんから違法開発は起こりにくいと思います。また、レアアース鉱山は多くなく、いずれも工業規模の探査、開発をターゲットにしており、地方の許可交付権限には含まれません。
(Dau Tu) ※『ベトナムニュース The Watch』のご案内※
ベトナムニュース The Watch は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。
当社はEメール配信による速効性(週4回)、週報(ベトナム国内のみ)による情報の保存性を重視し、各進出日系企業及びベトナム進出を検討されている企業の皆様の業務に役立つ本格的な情報提供を行っております。
詳細は『ベトナムニュース The Watch』(http://www.thewatch.com/)をご覧下さい。
(2010/11/13 05:39更新) |