国外在住者からの送金額は2割増、景気回復・高金利後押し
― 国家銀行ホーチミン副支店長インタビュー ―
国家銀行ホーチミン支店のNguyen Hoang Minh副支店長は、今年ホーチミン市の商業銀行等を通じた国外からの送金額は、昨年を上回るだろうとしている。
Q: 年初9カ月のホーチミン市の商業銀行、経済組織を通じた国外からの送金の状況は?
A: 2010年第3四半期、市内の商業銀行を通じた国外からの送金額は6億400万ドル、年初9カ月では17億7,300万ドルで、これは昨年年間(16億8,800万ドル)を上回ります。市内の経済組織(国外からの送金取扱会社)を通じた送金額は第3四半期が約4億ドル、年初9カ月は12億7,000万ドルで、昨年年間(15億3,000万ドル)に近い水準となっています。
この2つをあわせると年初9カ月の送金額は30億4,300万ドルで前年同期比17.94%増、昨年年間(31億4,800万ドル)の水準に近づいています。
Q: 国外からの送金が伸びた原因は?
A: 理由のひとつに世界経済情勢に回復の兆しが多数見られていることがあります。銀行や送金取扱業者のネットワーク拡大や質向上も、増加につながっています。
Q: ベトナムの商業銀行が設定している外貨預金の金利が各国より高いためとの意見もあります。
A: 現在ベトナムの商業銀行は、ドル建ての預金金利を年4.5~5%とかなり高い水準に設定しており、小規模銀行では、これ以上のケースもあります。これがベトナムドンの金利に圧力を生んでいます。ベトナム銀行協会(VNBA)では加盟銀行に対し、ドン建てのコスト圧縮などを狙った外貨建て預金の金利引下げ検討を呼びかけています。各国の金利、このなかにドル建て金利も含まれますが、これはかなり低い状態で、より高い利息を得るためベトナムの銀行に貯金したいという考えもあると思います。
Q: 年末の送金、また年間の送金についてどう見ていますか?
A: 年間では、ホーチミン市の商業銀行、経済組織を通じた送金額は、昨年比20%増となる見込みです。年末には国外在住者からの送金が増えることから、第4四半期の送金額は、これ以前の2四半期よりも増えると思います。
(Dau Tu) ※『ベトナムニュース The Watch』のご案内※
ベトナムニュース The Watch は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。
当社はEメール配信による速効性(週4回)、週報(ベトナム国内のみ)による情報の保存性を重視し、各進出日系企業及びベトナム進出を検討されている企業の皆様の業務に役立つ本格的な情報提供を行っております。
詳細は『ベトナムニュース The Watch』(http://www.thewatch.com/)をご覧下さい。
(2010/10/15 06:07更新) |