急加速トラブルのFord、「リコールはしない」
Ford Transitが異常な急加速をする問題について、Ford Vietnam社のMichael Pease社長は3月17日メディアの取材に答え、このエンジンの機能は技術的な不具合ではなく、「リコールはしない」と述べた。2007年製造のTransitが販売された時点で、この機能を利用者に案内した資料はあったのかという問いについては、「案内書も、顧客に対する説明もなかった」と述べている。なおこの問題について、自動車を利用している旅客輸送会社は、新機能についてメーカー側が告知していないことなどを理由に裁判に訴える方針だ。
Q: 2007年製造のTransitは利用者800人(ベトナムでの購入者)が新機能に満足しているとおっしゃられましたが、これは御社が調査したものでしょうか? それとも個人的な実感でしょうか?
A: 訂正させていただきますと、800人の顧客すべてではなく、私どもの代理店でメンテナンスを受けたお客様のほとんどが、新しい機能に満足しているというものでした。このように心配されたのは、これが初めてです。
Q: この新しい機能は、2008年以降は外していますが?
A: 2008年からの製造分については、エンジンをEuro 2レベル(2007年はEuro 1)に対応できるものに変更しており、設計上この機能が不要になりました。
Q: インターネット上の情報によると、アクセルを操作しなくても急加速するということで、中国では2007年製造のTransitをリコールしています。
A: 中国では、状況がまったく異なります。私たちは、CTS社のアクセルペダルの問題を検査するため24時間の生産停止をし、その後通常通り生産しており、リコールはしておりません。
Q: 3月12日のメディアに対する回答書では、この機能は1速と2速のみに作用が現れるとしていますが、今回はすべてのギアでとおっしゃっています。矛盾していますが?
A: 12日はメディア向けに迅速に情報提供するために簡単に回答したまでです。機能は1速と2速で最も顕著にあらわれ、ほかではあまり感じられません。
Q: 新機能の導入にベトナムが選ばれた理由は?
A: ベトナムでは自動車の技術的基準が他国とかなり違いますので、私たちはいかにベトナムにあわせたものを作るかというところで設計しています。これは、自動車を最もよく運転させる最良のソリューションです。
Q: この新しい機能により事故が生じた場合のメーカー側の責任は?
A: この一件を通じて、お客様に十分な情報を提供しなければならないと考えています。事故の話については、仮定の話ですので、お答えできません。
Q: 現在ベトナム登録検査局が検査を進めています。安全性に問題があるとしてリコールを命じられた場合は?
A: 常に監督機関と協力し、要求に応じる所存です。ただ、結論が出るまでは何もコメントできません。
■Fordは責任認めるべき、Toyotaリコール車は車検停止
ベトナム登録検査局は3月19日、Ford Transitの急加速問題について交通運輸省に報告書を提出した。
このなかでTrinh Ngoc Giao局長は、「Ford Vietnam社の報告では、エンジンのすべてのギアにおける『回転数自動調整』機能は、取扱説明書に記載されておらず、代理店でも顧客に説明がなされていない。Ford社は生産者責任を十分に果たしていない」としている。また別の幹部は、「Ford社には誤りがあった。それをきちんと受け入れなければならない」と話している。
ほかToyotaのリコール対象車について19日同局は、31台の車検証発行を停止したことを明らかにした。米国Toyotaが発表しているリコール対象車で、同局の幹部は、「車検停止の輸入車がある企業は、自主的にアクセルペダルの不具合を回復し、回復が終わった際に、引き続き車検証を発行する」と述べている。
なお現在ベトナム全国では、1,700社あまりが自動車の輸入を行っている。
(Tien Phong/Nguoi Lao Dong/Tuoi Tre) ※『ベトナムニュース The Watch』のご案内※
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(2010/03/22 10:44更新) |