バイク市場はさらに拡大、スクーター中心に動く
Vietnam Suzuki社の袴田義之社長によると、在ベトナムのバイクメーカーと輸入各社の販売量では現在、市場の需要の80〜90%にしか対応できない。
■伸びるスクーター
2009年の業績としてYamahaの販売は60万台(2008年は45万台)、Hondaは140万台(同120万台)で、経済の伸び悩みにもかかわらず、全体的に各社の生産量は前年比で20%増えている。この伸びを支えたものとして、各メーカーはスクーターの存在を挙げる。
これまではスクーターの供給不足から品薄が生じ、価格が押し上げられていた。例えばYamahaは、ベトナム市場のバイク需要の80%にしか応えられないと認める。
しかし不足にもかかわらず、各社は穴を埋めるべくバイクの輸入はほぼ行っていない。
Yamaha Vietnam社のNguyen Ba Son販売責任者の説明によると、ベトナムで生産されるバイクは技術的にインドネシアやタイで生産されるものと大きく異なるため、同じ車種でも輸入車の価格はかなり高くなる。これに輸入税や保証担当者の育成費などのコストを加えると、輸入車は国内生産車と競争できない。
そんななか2010年は、長らく「冬眠」してきたSuzukiの目覚めの年とされている。SYMやHondaなど各社が連続的にスクーターの新型を投入するなかでSuzukiの動きはなく、2007年になってようやくベトナムで初めてのスクーターを投入した。この出遅れによりSuzukiの販売台数は2004年の7万6,000台から2009年には4万台にまで落ちた。2010年の新型スクーター3〜4種の投入計画で、今後2〜3年で売上を倍増させる構えだ。
しかしSuzukiにとっての課題は、長らくの冬眠のあいだに状況が変わってしまったことだ。YamahaのSon氏によると、スクーターの競争はすでに高級志向に変わっている。イタリアPiaggioはアジア事務所をシンガポールからベトナムに移してすぐ、ベトナムで組み立てられたVespa LXを投入し、高級スクーター市場に足を踏み入れている。
ホーチミン市におけるスクーターシェアの25%を持つとするSYMは、男性向けのスクーターShark 125に期待している。「スクーター購入客の関心はブランド、デザイン、品質、そして利便性。高級市場では、ブランドの強さがより重要になる」SYM Vietnam社マーケティング担当副社長Chien Mei氏はこう話す。
Yamaha Vietnam社の経験によると、バイクメーカーの成功を決定付ける要素の80%が製品にある。そのためSon氏は、今後の競争で戦略の駒がないメーカーは、遅れをとる可能性があるとしている。
■飽和期に至るまであと10年
メーカー各社によると、スクーターの成長率は年27〜28%といったところで、新規参入にも少なからずの余地がある。一方マニュアル車は年5〜10%の伸びで、ほぼ余地はない。このことから、一部メーカーではここが最も厳しい競争だとしている。
最も強い競争は価格に現れている。現在マニュアル車の最安値市場は1,000万ドン(約590ドル)未満で、ここではベトナム製と中国製がほぼ市場を占めている。両者の総数に関する正確な資料はないが、Sufat Vietnam社のPham Cuong社長によると、現在ベトナム製品が15〜20%を占めているという。中国製品は、市場参入から7年になるLifanで、10万台の販売がある。
2010年1月1日から発効している中国−ASEAN自由貿易地域により、中国製のマニュアル車には値下がりからさらにチャンスがある。バイク業界のある大手企業の代表は、「価格面から、新しいマニュアルバイクの発売には非常に慎重になっている」と言う。
ベトナム登録検査局によると、年間300万台の販売から2010年には全国の総数が2,400万台になる。政策研究大学院大学の大野健一教授によると、2.5人にバイクが1台あるようになれば、市場は飽和する。この購買力から今後2015年までにベトナムのバイク総数は4,000万台になり、この時点の人口を1億人と仮定し、バイクは2.5人に1台あるようになる。
2015年の市場飽和の見込みから、一部には今から、バイクを削減する計画を持つべきだという声がある。しかしVietnam Suzuki社の袴田氏は、ベトナム市場は多少の違いがあり、2.5人に1台ではなく、1.5〜2人に1台で飽和に達するとしている。「ほかの市場では、自動車が強く発展した時期がバイクの飽和期となっている。ベトナムで自動車の利用が爆発的に増えるにはあと10年はかかると見ている」と袴田氏は言う。
またYamaha Vietnam社のSon氏によると、ベトナムの現在のバイク需要は年間250万〜280万台で、登録検査局の報告のように300万台には達していない。また5年後のバイク量の予想4,000万台が不正確なのは、7〜8%の中国製バイクが寿命の短さから排除されることがある。そのため登録数が増えても懸念するほどではない。実際の走行量はそれほど多くないからだ。
現在のタイと比較し、ベトナムのバイク成長率は高い。ベトナムが年間約300万台であるのに対し、タイは160万台に過ぎない。そのためメーカー各社はベトナム市場に信頼を寄せており、「今後数十年はベトナムで順調に活動できるだろう」とYamaha Vietnam社の代表は言う。
一方でSYM Vietnam社は、ベトナムを東南アジア地域への輸出拠点とするべく投資を強化している。2010年第2四半期から、投資額1,500万ドルの研究開発センターが活動を始める予定だ。
(Nhip Cau Dau Tu)
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(2010/02/05 07:40更新) |