「精子売りたし」――売買現場を探る
精子売買――インターネットの検索エンジンでこんな言葉を入力すれば、販売を持ちかける様々な広告がヒットする。
■ネット広告で精子を売る
「23歳、大学最終学年、お金がなくて学費が納められず、卒業試験が受けられませんでした。どなたか精子を必要としている方がいれば、ご連絡を。当方長身でハンサム、病気はありません。高い値段はいただきません。学費分が必要なだけです」。「精子急いで売りたし。褒められたことではありませんが、経済的に苦しく、両親も年をとり、学校の時間以外もアルバイトをしていますが、田舎の弟達の面倒を見切れません」。
様々なネット広告の連絡先に問い合わせ、返事を待った。
数日後、私たちは精子を売ることを承諾するメールを受け取った。Tuと名乗る彼は29歳、Kien Giang省出身で経済大学を卒業、現在はホーチミン市3区に住んでいる。過去にBinh Thuan省の女性の妊娠を助け、その人は双子を生んだという。「ネット上で溢れている広告はほとんどウソ。僕のような『本物』に出会ったのはとても運がいいですよ」と彼は言う。
実際に会ってみて、ある田舎の女性が不妊で悩んでいると話をもちかけた。すると彼は「急いでいるなら、健康診断に行ったときに精子を採りましょう。診断など病院の費用は全部そちらもち。人工授精の費用が心配なら、ホテルで『直接』でもいいですけど」。その彼女が拒否した場合、別の人を紹介してくれるのか、と聞くと彼は「ご安心ください。いつでも、どこでもお応えできる弟分が2人いますから」と答える。
そして彼は電話をかけ、顔を見せるよう呼び出した。30分後に現れた人は、背が高くかなりのハンサム。名前はChien、大学生だという。健康診断の費用や「ご飯代」などで先に300万ドン(約180ドル)を支払うよう言う彼は、以前に2度この経験があり、1回はBac Lieu省の39歳の女性との1カ月の契約で800万ドン(約470ドル)をもらい、もう1回はその人の生活が苦しく、さらに美しい女性だったため「実費」のみで請負ったという。
別の人からも、精子を売るというメールを受け取った。Tan Phu区に住むMinhという技術者は1,000万ドン(約590ドル)を要求し、「精子の検査に一緒に行って、結果がよければそれを注入すればいい。産婦人科病院は手続きが面倒だけど、私立病院なら上手く話せば検査をしてくれますよ」。
■産婦人科の仲介業者
ホーチミン市Tu Du病院の不妊治療科をあとにすると、すぐに何人もの男がつきまとってきた。「この仕事を始めてもう3年。人助けをしたいだけ。必要なら一緒に来て、紹介するから」仲介業者Bはこう自己紹介した。
Bとその仲間Hは私たちを病院ゲート近くにある喫茶店に案内した。私たちは、田舎の親戚の女性が結婚して4年になるが、一向に子どもに恵まれず、診断に行ったところ男性が「種無し」だとわかり、そのためここで精子を買うことにしたのだと話をした。すると2人は私たちに、バイクタクシーのMという男性を紹介してくれた。「Mは今年42歳。何度もしてるけど全部当ってる」と言う。
まもなく体躯逞しいMが現れ、BとHと3人で打ち合わせをした後、Bは採取1回で600万ドン(約350ドル)という値段をもちかけてきた。このほか、検査や健康診断などの費用は全てこちらもちという。もっと若い男性はいないかと尋ねると、Bは大学生が1人、輸出加工区で働く人が1人いると話してくれた。非常に若く、外見もそれなりで、さらにこの経験もMに劣らないという。
1時間ほどでCが現れ、輸出加工区で働いていると紹介した。彼は、「Hung Vuong病院で精子を採取したことがある。4回採取して、全部OKなら1回あたり400万ドン(約235ドル)で、計1,600万ドン(約940ドル)」。むろんこの他に検査費用や「ご飯代」がかかる。
数日後に再び訪れ「病院の料金は高すぎる。私たちは金も無い。もっと安い方法はないか」と尋ねた。するとBは、「『直接』なら安いよ。女性と提供者が血液検査に行って、予定を調整して、その辺のホテルで。人にもよるけど若くて学識がある人なら1,000万ドン、普通なら600万〜800万ドンくらいかな」と言う。
Bはこんなケースも何度も扱ったことがあるそうで、「両方で合意して、検査がよければ約束してホテルで。この方法ならだいたい3〜4回する。でも受け取るのは毎回の行為のあとの『ご飯代』だけ。妊娠したら成功報酬」と話した。
(Tuoi Tre)
※『ベトナムニュース The Watch』のご案内※
ベトナムニュース The Watch は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。
当社はE-メール配信による速効性(週4回)、週報(ベトナム国内のみ)による情報の保存性を重視し、各進出日系企業及びベトナム進出を検討されている企業の皆様の業務に役立つ本格的な情報提供を行っております。
詳細は『ベトナムニュース The Watch』(http://www.thewatch.com/)をご覧下さい。
(2010/01/16 07:09更新) |