メコンデルタ、時季はずれの日本米栽培が低調
この秋冬期、メコンデルタAn Giang省の農家はAngimex-Kitoku社と同社が提供する各種日本米の400haの栽培で契約した。これまでに面積の大半で収穫を終えているが、生産性は1haあたり3.5～3.8トンしかなく、農家に不満がくすぶっている。しかし同社の担当者は、会社が提供したものには何の問題もないとしている。
第2収穫期が終わる前の10月末から、Thoai Son県An Binh村の日本米を栽培する田では病気が広がり始めた。これまでに同村では日本米140haの収穫を終えているが、生産能率は平均で1haあたり3.5トンにとどまっている。
農家Bayさんは、「6haを栽培し1億3,000万ドン(約7,700ドル)の費用をかけている。19トン収穫できたがトントンといったところで、ほかに工場に運ぶ1トン7万ドン(約4.1ドル)の運送費がかかる」と話す。19 Cong(1Congは1,000㎡)を栽培したTuさんが得た利益は全てのコストを差し引いて400万ドン(約235ドル)。普通のコメの10分の1にも満たないという。
多くの農家は不作の原因として、天候不順や病気が広がったこと、日本米の成長期間が予想より短かったことなどを挙げる。夏秋期の日本米500haの栽培でも生産性、品質は劣っていたが、技術的プロセスはかなり複雑で、投資額も他のコメより高く、多数の農家で利益が出ないという状態になっている。
このAngimex-Kitoku社が提供する日本米は、商品の全量買上げの形で契約されている。この方法で農家にとっては収穫期はじめから売り先と価格が決まっているため、「堅い」商いとなる。
こういった形で農家から買上げる手法をとったのはメコンデルタ地域では同社が初めてで、総務部長Emori Shinichi氏は「1996年からAn Giang省で日本米を栽培している。20種類の試験を行い、栽培が適した4種を農家に提供している。面積も最初の16haから、2008～2009冬春期には1,750haになった。生産性は1haあたり6～6.5トン。次の冬春期も会社では少なくとも前年並みの契約を交わす」と話している。
Emori氏によると、このコメは主に冬春期に安定しており、その他の時季については生産性や品質が低い原因を現在同社で調査中だとしている。「この2期については、農家から要望があったため会社は投資した。これまでのように冬春期の栽培なら何の問題もないことを保証する」とEmori氏は話している。
(Lao Dong) ※『ベトナムニュース The Watch』のご案内※
ベトナムニュース The Watch は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。
当社はE-メール配信による速効性(週４回)、週報(ベトナム国内のみ)による情報の保存性を重視し、各進出日系企業及びベトナム進出を検討されている企業の皆様の業務に役立つ本格的な情報提供を行っております。
詳細は『ベトナムニュース The Watch』(http://www.thewatch.com/)をご覧下さい。
（2009/12/09 07:43更新） |
