新型インフルエンザ、各工場の対策
「友達はいろいろ話していますが、それが本当か分からないですし」ホーチミン市Tan Thuan輸出加工区である工員に新型インフルエンザ(A/H1N1)について尋ねると、首を横に振った上で、こう答えた。新型インフルの流行が拡大するなか、多くの工場労働者にはまだほとんど知識がない。
8月14日午後、同輸出加工区の入口付近で観察していると、ある人は会社を出るなりマスクを外し、ポケットに入れた。「労働組合から着用するようにという通知がありましたが、暑くて。1日中していて疲れたので、外でははずしてスッキリしたい。予防していても、かかるものはかかりますので」と話した。
ここ数日輸出加工区内では、複数の会社で感染者が出たという噂が流れており、これに労働者は不安の面持ちだ。しかし彼らが生活する下宿では、特に何の知らせもなく、また多数の会社の労働者が「通知を出すだけで、何も対策はない」と話している。
一方でLinh Trung 1輸出加工区のNissei社労組のPham Van Ven組合長は、「周辺地域で感染者が出た際、会社は症状について従業員に周知。労組も週はじめの会議で毎回注意を呼びかけ、会社でも医療用マスクを購入し従業員に配布しています」と話した。Tan Thuan輸出加工区内のFAPV社でも1,000ドル以上をかけ、従業員1人あたり2枚のマスクを配っている。
Tan Thuan輸出加工区のThree Bambi社では毎朝全従業員の体温測定を行い、38度以上ある場合は自宅療養とし、37度以上の場合は再測定およびマスク着用という対策が採られている。トイレにも、手洗い用の石鹸とアルコールが準備されている。
Linh Trung 1輸出加工区のFreetrend社では、工員らに2,000枚のビラを配り、インフルエンザの症状について広報し、熱や咳がある場合は出勤せず、最寄りの医療機関で診察するよう呼びかけている。社内に隔離室を設ける計画もあり、会社の医務室では医師・看護師5人が交代で詰めているという。
Binh Tan区のPou Yuen社では、新型インフルの流行が始まってすぐに様々な対策を実施、労組は新型インフルの知識を競うコンテストも開催した。これには500件以上の参加があったという。国外から入国する外国人社員についても、入国から最初7日間、その後週2日の体温測定をするなどして監視体制をとっている。
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(2009/08/20 08:00更新) |