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コラム |
世界でファンを増やすバインミー
1975年以降、多くのベトナム人が海を渡り、ベトナムの味を伝えた。フォーはすでにベトナム代表として世界中で親しまれている。ではフォーに続くものは何だろうか? Bun Bo(牛肉入り米麺)? 揚げ春巻き?
実は、ベトナム人の朝食として一般的なバインミー(バゲットサンド)が今、きている。
もともと故郷を離れたベトナム人が同郷の仲間の朝食用にと売り出したバインミーは、今やメキシコのタコスのようにアメリカ人に好まれるようになり、特にサイゴンのバインミー――Banh Mi Sai Gonとして、ベトナム語の声調入りで、アメリカのメディアやウェブサイトに取り上げられている。GoogleでBanh Miと検索すると、南部に住むベトナム人にお馴染みの肉入りバインミーが文字や写真で多く表示される。
2008年2月6日付『ワシントン・ポスト』紙でWalter Nicholls氏は、バインミーは世界で最も素晴らしいサンドイッチと書いた。
彼が初めてバインミーに出会ったのは、南部カントー市の水上マーケットに向かう船中だった。その後ベトナム人が多く住むヴァージニア州フォールズチャーチのバインミー販売店「Nhu Lan」で再会し、「一口噛むと、パテと豚肉、コリアンダー、大根のなますの味が口いっぱいに広がる。目を閉じて、10年前のあのメコン川クルーズに思いを馳せた」と記している。
「Nhu Lan」はヴァージニア州やワシントンD.C.に数あるバインミー店のひとつで、他にもアメリカ全土に専門店が広がっている。「Battle of the Banh Mi」というウェブサイトではアメリカでバインミーを売っている店が紹介されている。
店舗数が最も多いのがカリフォルニア州で20店以上、サンフランシスコやオークランドにも多い。ニューヨークは、カリフォルニアやヒューストンに比べればベトナム人は少ないが、チャイナタウンからマンハッタン、ブルックリン、クィーンズまで、Banh Mi Saigon Bakery、Sau Voi、Thanh Da、Ba Xuyen、An Choiなどグルメに知られる名店がある。
今年4月5日付の『New York Magazine』誌に「バインミーはNew Yorkナンバーワンのサンドイッチになったのか?」という記事が掲載された。記事によると、バインミーがいつニューヨークに来たのか定かではないが、食通の間ではEd Koch氏が市長だった1978〜1989年頃と言われている。
確かなのは、2年前にウィリアムズバーグでSilent Hがオープンした運命の日から、バインミーはチャイナタウンのような控えめな場所を飛び出したということだ。
その後、紳士の街ウィリアムズバーグはバインミーの中心的存在となった。バーなどでもメニューに加えるところが増え、バインミーはすでに新しいサンドイッチとしての地位を築いた。バインミー販売車もトレードマークになっている。
記事はこう続く。Sai Gonの食べ物がなぜこんなにも広まったのかは、想像に難くない。風味と具のコントラストが他に勝っている、安い、この理由につきるだろう。
バインミー好きな人のほとんどは豚肉のハム、周囲が赤く染まった豚肉の燻製、甘いたれのついた豚の焼肉といったオーソドックスなものを選ぶ。そしてその具のハーモニーと風味で誰もがナンバーワンと評する。食のサイトEpicurios.comの、ストリートフードトップ10でバインミーは、メキシコのタコスやタイのパパイヤサラダを押さえ1位となった。
アメリカの食事はフランスパンと縁遠いものではなく、ましてベトナムのバインミーはフランスのパンを手本にしたものだが、独自の魅力を持っている。
フランス人のGermaine Swansonさん(73歳)は長年ハノイに暮らし、その後1978〜1988年にニューヨークのClover Parkで愛されたレストラン「Germaine’s」をマネジメントした。「1954年にフランス軍がベトナムから撤退する前、バインミーはフランスサンドイッチと呼ばれていました。しかし当時バターと豚肉、パテが入ったサンドイッチを口にできるのはわずかな富裕層だけ。ベトナム人はフランス人がいなくなった後、香草や調味料などアジアの風味を出すものを加えたのです」と話す。
ベトナム人はフランスサンドイッチをベトナム独自のものに生まれ変わらせた。『Gourmet』誌2008年12月18日号でMatthew Amster Burton氏は、「ベトナムのバインミーの魂は具にあり。その中身は世界のサンドイッチにはないもので、肉と野菜、漬物、調味料、これらが渾然一体となり塩気、甘味、酸味、辛味という味の層を成している。現代のバインミーは、チーズやチキン、ハンバーグ、焼肉、ソーセージなどを挟み、伝統の枠を出て、より西洋風、アメリカナイズされたものも開発されている。こんな店に入ってみればベトナム人オーナーがきっと新しい中身を提案してくれるだろう」と書いている。
バインミービジネスで大成功を収めた人物にカリフォルニアの有名店「Lee’s Sandwiches」のオーナーChieu Le氏がいる。今や店舗数は数十にまで増え、トラック500台を擁する物流システムを持つ。Lee’s Sandwichesでは、熱々の具がはさまったバインミーとベトナムのスタイルで入れたアイスコーヒーを出す。
2006年、Lee’s Sandwichesではバインミー600万個、ベトナムアイスコーヒー400万杯を売上げた。
(Tuoi Tre Cuoi Tuan)
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(2009/06/06 02:43更新) |
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