日越両国、ODA供与の新たな手順について協議
― 坂場在ベトナム日本大使インタビュー ―
対越ODAに関連するPCI社の一件について坂場大使は、日本はベトナム側の行動を待っていると述べた。
Q: ODAの再開についてどうお考えですか?
A: ODA供与の手順を改善し、今後汚職が発生しないようベトナム政府と連携しているところです。私たちは、コンサルタントの選択やその他ODAプロジェクトに関わる新たな手順の構築を目指しています。1社だけでなく、複数の企業が公平に参加できるような、より競争性のあるものです。
コンサルティング活動に対する監視システムも構築したいと考えています。コンサルティング会社の思うままに全てを進めるのではなく、会社が行う活動を検査する必要があります。ベトナム政府とこの新しい手順について話し合っているところで、この作業が完了し、新たな体制が整うことを期待しています。
Q: 日越合同委員会についてお聞かせください。
A: 会合は11月と12月に行われ、具体的な問題を議論しました。新しい手順を打ち出すため、共通の基本事項が固まることを望んでいます。これらは、私たちが新たなODAプロジェクトを開始するにあたり、非常に重要なものです。本当に優れたコンサルティング業者を選ぶためにも、より競争力があり、明白な規定が必要です。これはODA再開に向けて、最も多く話し合った問題です。コンサルティング業者は多くの条件を満たさなければならず、選択した側も、なぜその業者だったのか説明できる明確な理由が必要です。
Q: PCI社の元幹部らの処分はどうなると予想していますか?
A: 今月中にも東京地裁で判決が出る見込みです。日本側の決定が出てすぐに、PCI社の一件に関与した疑いのあるベトナム官僚について、捜査が引き続き進められると思っています。私たちはこの官僚に対するベトナム側の行動を期待しています。PCI社の幹部らは法廷で、この人物に200万ドルを渡したことを認めています。
Q: 日本の皇太子徳仁親王が来月初めてベトナムを訪問される予定ですが、ODAの再開に向けてプラスとなるでしょうか?
A: 皇太子さまが初めて訪越される、ただそれだけのことです。昨年、Nguyen Minh Triet国家主席が日本を訪問された際に招いたもので、ベトナムへの公式訪問でしかありません。
■一部プロジェクトの支払いを再開
計画投資省はこのほど、交通運輸省とホーチミン市人民委員会に対し、PCI社の一部コンサルティング契約の支払いに関する公文書を送付した。
支払いが再開するものには、▽市水環境プロジェクト第1・2期、▽貧困削減小規模インフラ整備プロジェクト、▽Thanh Tri橋プロジェクト、▽国道1号線プロジェクト第3期、▽ハノイ竏茶zーチミン市鉄道橋梁安全強化プロジェクトが含まれ、2008年9月下旬より停止している、東西道路プロジェクトのコンサルティングパッケージは再開しない。
これについて日本大使は、両国の捜査過程で汚職の疑いが見られた場合、支払いを再停止する可能性もあると述べている。
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(2009/01/16 06:41更新) |