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インタビュー

日本企業とピエール・カルダン氏との出会いで有数メーカーに躍進


― An Phuoc社Nguyen Thi Dieu社長インタビュー ―

 An Phuoc社のNguyen Thi Dieu社長に、Pierre Cardinの受託生産を始めたいきさつや日本企業との取引について話を聞いた。

Q: 外国企業との取引でどんなことを学びましたか?
A: 旧日商岩井とPierre Cardin氏からは特に多くのことを学びました。日本人は品質に厳しく、原料調達からパーツの組み合わせ、縫い目に至るまで各段階で入念にチェックします。一方、欧米企業は請負先に全て任せて、彼らは最終検品のみ行います。日本や欧米企業と仕事をすることでプロとしての仕事のやり方や、長期的な経営戦略、マーケティング、店舗ディスプレイ方法などを習得しました。

Q: 公務員から経営者に転身されて、どのようにチャンスを掴んだのですか?
A: Sai Gon法科大学卒業後、貿易局の輸出計画や総合計画を担当していました。1989年、夫から政府が事業体の生産活動を奨励していることを聞き、家族から資金を集めて所有していた土地に工場を設立しました。

 当時は家族経営で下請けを行い、安定収入を得て主婦業と両立できれば良い程度の考えで、大規模経営は視野に入れていませんでした。

 日本企業や在米越僑協会の加盟企業との関係を築けたことから、起業から12年後にAn Phuocを設立しました。最初に受けた仕事はLegamexからの輸出用ジャケットの縫製です。1992年には旧日商岩井から大規模発注があり、専門家から技術指導を受けました。

 ミシン50台から始めましたが、設立から1年も経たないうちにミシンは150台、工員は300人に増えて2交代制で稼働し、1994年にミシンは700台、1995年には1,000台となりました。

Q: 社長室の正面には「忍」、背後には「心」の文字がありますが、どのような意味が込められていますか?
A: 「忍」の文字は日本人から教わりました。最初にある日本人と仕事をした時に、忍耐強い人は成功すると言われました。日本人にとってパートナーの規模は重要ではなく、真面目に仕事をこなし、改善意識があり熱心で、忍耐強ければ良いのです。

 「心」は品質だけではなく、サービス方法にも表れ、経営者が心を柱に置かなければ成功は難しいです。仕事の大小に関わらず、全身全霊で取り組み、取引先から難しい要求があっても応えられるよう努力が必要です。

Q: Pierre Cardinブランドとの関わりについて教えてください。
A: 旧日商岩井からPierre Cardin向けの商品を受注したことがきっかけです。1997年にアジア通貨危機が勃発し、多くの日本向け商品が輸出できない状態で、国内大手メーカーの経営は困難に直面していました。

 弊社も同様で、3,000人以上の工員を抱え途方に暮れていましたが、その時Pierre Cardin氏から、ベトナム、ラオス、カンボジアにおけるPierre Cardinの商標権の購入を薦められました。

 願ってもない提案でしたが、自社での原料調達、自社資本での経営、さらに商標使用権は2年更新で更新毎に契約料が20%上がるという条件でした。しかし他に選択肢も無く、家族の支持も得られたことから思い切って決断しました。

Q: Pierre Cardinの商標権を購入しても、An Phuocブランドを立ち上げた理由は?
A: 商標権を購入した当時の経済状況は現在ほど豊かでなく、海外の高級ブランドは高嶺の花でした。Pierre Cardinショップの運営コストを補填するため、国内消費者に手が届く国内高級ブランドAn Phuocを立ち上げました。

 Pierre Cardinの受託生産を行っているメーカーということで、早い段階から消費者の信頼を得られました。ブランドを築いたという点で、多くの人々から賞賛の言葉を頂きますが、当時はブランドの確立やビジョンについて知識もなく、手探りでここまで来ました。

Q: 「ホーチミン市の象徴的な経営者賞」の76人のひとりに選ばれました。インフレで多くの企業が困難に直面するなか、どのようなお気持ちですか?
A: 大変名誉なことで、従業員や家族、友人、お客様に感謝の意を表したいと思います。今回の受賞で、会社や社会に対する責任が大きくなり、社員の良き手本となるよう努力していかなければなりません。

 今年はインフレの影響で消費者の購買力が減少しましたが、購買意欲を刺激するためにサービスの向上や、デザインや素材の改良、コスト削減に取り組んだことも受賞の要因と考えています。

Q: 経営者として問題に感じていることは?
A: 以前に比べ、工員の忍耐力や仕事に対する愛着が減少しており、弊社に限らず多くの企業が人材面で問題を抱えています。また国内メーカーが海外市場に進出して競合するためには、宣伝が大きな要素となりますが、政府により広告費の予算が制限されており、不利になっています。


(Doanh Nhan Sai Gon)

(2008/11/18 07:32更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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