日本との協力でベトナム業者の能力向上を期待
― 海外建設協会・専務理事インタビュー ―
ベトナム建設省は、日本の国土交通省と第3回ベトナム日本建設セミナーを開催した。海外建設協会・鈴木一専務理事にお話を伺った。
Q: 日本の建設業者がベトナムでの不動産プロジェクトにあまり関心を示していないことをどう思われますか?
A: 日本では1990年にバブルが崩壊し、不動産価格が急落、不動産会社は莫大な債務を抱えることになりました。以前は不動産事業に大きな投資をしていた日本の建設会社も慎重になり、利益が確保できる工事だけを受けるようになりました。韓国やシンガポール、マレーシアなど各国企業と仕事をしたことがあり、彼らが外国での不動産プロジェクトに大きな関心を持っているのは知っています。しかし彼らと違い日本の企業、特に投資家は不動産分野への参入には非常に慎重になっています。
Q: 日本の建設業者はベトナム建設市場をどう見ているのでしょうか?
A: ベトナム経済の成長に伴い建設市場も順調に伸びています。海外建設協会会員の半数がベトナムに代表事務所を設置しています。会員企業はベトナムのインフラや公共施設、工場、発電所の建設や生産開発にプラスの役割を果たしていると言えます。日本側の最大の不満は投資家の反応の遅さから進度が遅れ、経費も膨らむことです。立ち退き作業の遅れも工期に小さくない影響を与えています。
Q: この状況を改善するには?
A: 今年10月1日から円借款、技術支援、無償援助を含む日本のODA事業は国際協力機構(JICA)に合併されました。現在JICAは、借り手と双方で進度を合意する、JICAは借り手側の手続きや資料、決定を検査できるといった新しい条項を実施し始めています。円借款は国際的な契約条件、国際コンサルティングエンジニア連盟(FIDIC)の契約条件を満たさなければなりません。そのため、さきほど述べた状況が残っていれば、連盟による契約は様々な困難に直面し、融資額は減少します。よって損害を克服、回避するために両者は違反時の罰則も含め契約に示された合意を遵守しなければなりません。
Q: ベトナムでの日本海外建設協会の近い将来の展望はどうでしょう?
A: 日本海外建設協会は、国際活動と他国への貢献の推進を通じて、日本の建設業者を支援するため1955年に設立されました。現在の会員企業は43社、ほとんどが日本を代表する建設業者です。シンガポールと上海に代表事務所があるほか、世界各国に24の支部があります。協会の計画、設計、建設、研究、開発についての能力は非常に高く、ベトナムでのインフラ、工場、公共施設の建設の協力に努力しています。それを通じ、ベトナムに先進技術を移転しています。日本のODA事業や日本の建設業者との協力を通じてベトナムの投資家や建設業者が能力を向上させることを期待しています。
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(2008/11/04 03:31更新) |