ベトナム:違反は適切に処分、今後も監視を強化
― 資源環境大臣インタビュー ―
廃水処理に関する違反が摘発されたVedan社の処分について、資源環境省Pham Khoi Nguyen大臣に話を聞いた。
Q: Vedan社の処分は現在どのようになっているのでしょうか?
A: 資源環境省はThi Vai川を10kmにわたって生物学、水質、経済的損失まで調査する専門家グループを立ち上げています。しかし当面の処分は、環境法違反として約2億7,000万ドン(約1万7,000ドル)の罰金、そして逃れていた2004年以降の廃水費用の1,270億ドン(約794万ドル)の追徴のみです。その他の問題については現在作業中ですが、賠償の範囲は小さなものではないと思います。
Q: 賠償額はどの程度になるのでしょうか? またどのような基準にもとづくのですか?
A: Vedan社の毎年の課税後所得は1,500万ドルです。Vedan社は微生物技術の施設を含むもので、本来なら投資総額の10~15%、つまり5,000万~7,000万ドルの資金を環境処理にあてなければなりません。しかしながら彼らは、300万ドルを投じたに過ぎません。
Q: 1,270億ドンの廃水費用はすでに支払われたのでしょうか?
A: 意図的に納付を遅らせているという情報を聞いています。しかしながら私は、同社を断固として処分する考えです。具体的な期限を設け、十分な納付が無ければ、生産の再開を認めません。
Q: Phu Tho省のMiwon社は違反発覚後、直ちに活動停止処分となりました。しかしVedan社の違反の方が何倍も大きく、完全な処理もまだにもかかわらず、Dong Nai省は二の足を踏んでいます。
A: Phu Tho省人民委員会は、この問題に非常によく対処したと思います。一方Dong Nai省のVedan社に対してですが、閉鎖というのがはっきりした考えです。資源環境省は、Vedan社が排水系統を全て再整備するまで、監視していきます。Dong Nai省の人民委員長らとはすでに作業を行い、資源環境省から指導文書も出されています。資源環境省の処分は正しいもので、汚染する者がいれば、その人はその損害を賠償しなければなりません。影響を受けた住民も、賠償を求めるため提訴する権利があります。
Q: 住民のVedan社提訴を支持されますか?
A: 提訴するには、健康面や栽培作物にどれくらいの被害を受けたのかについて、各分野の機関から確認を得た上で代表する組織をつくり、賠償を求めることになります。住民には法律規定にもとづき、提訴する権利があります。
Q: Vedan社やMiwon社以外にも、世論は多数の企業に環境違反が見られるとしています。
A: 今後私たちは、Vedan工場の活動を把握できるよう電子式の観測システムを設置します。これはVedan社のみに対する措置というわけでなく、他の工場への警告でもあります。同時に私たちは引き続き各省人民委員会に対し、調味料、医薬品、ビール、化学物質、製紙など全ての工場に対する検査を行うよう求めていきます。
Q: そうおっしゃられるということは、これらの業界ですでに違反の兆候が見られると?
A: これらの工場には問題があるということです。
Q: しかし企業の大きな利益に対し、現在の罰金の最高額は5億ドン(約3万1,250ドル)でしかなく、企業は違反のため喜んで罰金を払うという状況もあります。
A: 5億ドンというのは、1つの行為に対しての最高の罰金額で、たとえばVedan社のように違反行為が10にものぼる場合、それを合算すれば罰金額も大きくなります。
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(2008/10/30 03:10更新) |