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コラム |
爆弾テロ、救出に戻り犠牲になったベトナム女性
23歳のベトナム人女性Nguyen Hong Ngocさんは、先日起きたパキスタン・イスラマバードのテロで帰らぬ人となった。この数日、彼女の母親は娘の祭壇を見上げながら、悲しみにくれている。
母親の話によると9月21日午後4時、事件から丸一日経ったころ、プラハの知り合いが在パキスタンIvo Zdarekチェコ大使(2004~2008年5月在ベトナム大使)がイスラマバードのテロで亡くなったと電話で知らせてきた。さらにそのテロでは1人のベトナム人女性も亡くなったので、彼女の娘がその不幸に遭ったのではないかということだった。母親はすぐにIvo大使に電話をしたが通じない、娘にも電話してみたが出た人はチェコ語も英語も話さず、おそらくパキスタン人だったのだろうという。
そのとき、最悪の事態が頭をよぎった。Ivo大使がいないということは娘もいないということだ。2人はいつも一緒にいたからだ。
Ngocさんの母親は「爆発の起こる2時間ほど前、『これからブルガリア大使の主催するパーティーに出席するから帰ったら電話する』とメッセージをよこしたんです。でも帰らなかった」と涙ながらに話した。
伯父Truongさんも「本当に辛い。2人の未来はとても明るかったのに。Ngocは勤勉で素直な子でした。チェコの航空会社へ就職して今年ベトナムへ帰ったばかり。Ivoのことは家族のように思っていました。ここで家族のように食事してたんですよ。みんなと一緒にお茶を飲み、話をして……。Ngocの人生は活力溢れるものでした。素直で礼儀正しく上品でありながら勇敢で強さを持っていました。英語、チェコ語、ドイツ語を話し、今はフランス語も勉強していました。どこに行っても、いつも両親のことを気遣う子でした」と話した。
Truongさんは、彼らが人を助けに戻ったようだと聞いても、誰も驚かなかったと言う。母親は「ベトナム人というのはそういうもの。困っている人をほうっておくことなんてできないんです」と話す。
2人の死に近所の人も悲しんでいる。Ngocさんが生まれ育った家の近所に住むTamさんは、「2人とも上品で礼儀正しい人だった。Ivoがここへ来るときには、いつも私たちにもまるで息子のように親しく挨拶してくれました。パキスタンで亡くなったと聞いたときは耳を疑いましたが、すばらしい行動は尊敬します」と話した。
イスラマバードのチェコ大使館は、Ngocさんの亡骸もIvo大使と共にチェコへ送りたいと伝えてきたが、家族が同意しなかったため、チェコ側は早急にベトナムへ送ることを約束した。
Zdarek大使とNgocさんは爆発後ホテルから脱出することができ、その後チェコ大使館に電話をかけている。しかしその後、まだ人が残っているとして助けに行った。Ngocさんの父Hopさんはこう話す。「娘の友人は良心に溢れる人間で、娘も同じですから2人の行動に何も驚くことはありません。ハノイ市Hoan Kiem高校を卒業後、ホーチミン市国家大学に入学し、2年目にはハノイのGoethe学院に学び、その後チェコへ行きました。今年5月ベトナムに帰国し、9月2日にパキスタンに渡りました。19日には妹に私たちのことを頼むと伝え、私たちにはくれぐれも体に気をつけるよう話していました。とても悲しい。『何があるかわからないから』そう話したのですが、彼女の決心は変わりませんでした」。
チェコの新聞によると9月23日朝、チェコ空軍機がIvo Zdarek大使の亡骸を故郷へ運び、空港には大統領、首相、大使の家族らが出迎えた。
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(2008/10/06 06:35更新) |
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