公式相場のベトナムドン安調整は「切り下げ」ではない
― Nguyen Van Giau国家銀行総裁インタビュー ―
国家銀行が先日行ったベトナムドンの対米ドル相場の調整について、国家銀行のNguyen Van Giau総裁に話を聞いた。
Q: 今回の対ドル相場調整の理由は?
A: 銀行間市場の外貨の需給状況に近づけ、外貨抱えを克服するためにベトナムドンと米ドルの銀行間平均レートを調整することを決め、6月10日に適用していた1ドル=16,139ドンから、11日には16,461ドンに変更しました。外貨の取引変動幅は±1%のままで、金融機関は外貨売買に関して1ドル=16,296〜16,626ドンの間で設定できます。同時に国家銀行は引き続き、市場の流動性を保証するため干渉していきます。
国家銀行の為替相場運営の原則は、市場の需給関係に沿い、市場に近いものでありながら、社会主義方針に沿って行うというものです。つまり柔軟に動かしますが、統制しつつやるということです。市場が下がれば、当然ながら相場を下げる方向に持っていきます。
Q: JP Morgan ChaseのDavid G.Fernandez氏との会談で首相は、通貨の切り下げはしないとの考えでした。今回の調整を国家銀行は「切り下げ」と考えていますか?
A: 市場にあわせた通常の為替相場の調整であり、切り下げと理解することはできません。この問題については首相に報告し、よく話し合っています。
切り下げ、というのは習慣からの考えによる国内の主観的な意見で、外国の評価は、これは外貨需給上の通常の出来事だというものです。以前の調整が10〜15ドン程度だったのに対し今回は一気に数百ドンとなったため、不安が見えたのだと思います。
調整には二つの方法があります。徐々に行い、市場が自然な兆候を現せばそこで止めるというものと、市場がまた別の兆候を見せれば、また別の形で調整するというものです。この対応は通貨切り下げとはなんら関係なく、首相の指導どおりに行っているものです。
Q: 切り下げではないとおっしゃられますが、これは国民の通貨に対する信頼に影響を与えることはないのでしょうか?
A: ないと思います。相場の上げ下げは市場の動きに沿うもので、他国でも行っているものです。多くの国では為替相場をより柔軟にしていますが、その方法になれています。
しかし各国と異なるのは、ベトナムが現在、統制しつつ市場に沿った調整という政策を行っていることです。また我々は、少しずつ市場に慣れていく必要があります。例えば今回の基本金利の調整も、市場の動きに合わせてより能動的である必要があったでしょう。
Q: 現在懸念されるのは、苦しむ経済に対する国民と外国投資家の信頼です。人々がドルの購入に押しかけるような状況がありましたが、これについては?
A: 政府のインフレ安定策、社会福祉政策を通じて、一部国民、投資家一般の不安はある程度軽減したと思います。例えばマクロ経済の専門家JP Morgan ChaseのDavid G.Fernandez氏はベトナム経済を非常に実直に評価し、楽観的な見方をしています。世界銀行のJames Adams副総裁も、首相との6月3日の会談で、政府がとっているインフレ抑制策、マクロ経済の安定確保の政策を高く評価し、示した措置を強く指導することを勧められました。
国家銀行としては、通貨政策に関する新しい動きがあるとき、銀行活動のなかで悪い兆候があるときを含めて、国家銀行のウェブサイト上で常に更新しています。マスコミはここから、情報を取得すべきです。これとともにマスコミは、より慎重に、客観的に、誠実になる必要があり、実際と離れたり、誤解を生むような論評、特に国民と外国投資家がベトナムの困難な経済に不安を抱いているなかで、彼らのベトナム政府の運営に対する信頼に影響を与えるようなものは避けるべきでしょう。
(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam)
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(2008/06/20 06:27更新) |