ベトナム:ビル建設、きまぐれな許認可の実態
ホーチミン市3区Pasteur通りにある古いヴィラの持ち主は売却前、関係機関にビルへの改造を申請し、8階建てまでの建設が認められていた。販売時のヴィラの価格はその位置と、「8階建てまで可」という点を考慮し決まったが、その後新しい所有者が申請したところ、関係機関はなぜか、20階建ての建設を認めた。
前後の許可の差は12階、床面積なら数千m2の差が出る。この地域は床面積1m2あたりで5,000万ドン(約3,125ドル)を下らず、この場合のビル建設権を金額にすれば、数千億ドンになる。
Le Thanh Ton通り22〜22Bis番地では、競売時に関係機関が12階建てしか認めなかったものの、建設が始まるや18階まで認められた。このビルは1m2あたり4,000ドル超で売られており、6階分の床面積の差は投資主にさらに数百万ドルの利益をもたらした。
市中心部にある土地の価値は、関係機関からビルの建設許可が出るかに大きく影響する。しかし、どの通りや地区で2階以上の建物を建設でき、どこでできないのか、はっきりとした規定はまだない。
隣接する2つの土地で、片方では10階建てが可能で、もう片方では5階建てまでしかできないという話は珍しいものではない。市建築計画局のNguyen Trong Hoa局長も、高層ビル建設の可否が現在「感覚的」であることを認める。
同じ地域内、同じ通りでビル建設ができる投資主とそうでない投資主が出てくることになり、明白な規定がなければ、汚職や癒着が容易に発生し、投資環境も公平・透明性を欠く。
現在、その地区の景観に影響を与える可能性のあるビルの建設については、市建築評議会が検討し、認められるか否かという見解を出している。しかし評議会メンバーの一人は、建設できなければ投資家が嘆くため、認可の是非は非常に曖昧だと話している。
これまでNguyen Thi Minh Khai通り、Hai Ba Trung通り、Cach Mang Thang Tam通り、Vo Thi Sau通りに囲まれている地域について、市はビルの建設を制限してきた。しかし最近は、この地域の狭い通りでも、20階ほどのビルが建設されている。
建築分野に詳しいVo Kim Cuong氏は、公平性を期すには土地使用係数による管理が必要で、同じ通り、地域では、統一した係数を適用すべきと言う。例えばある通りの土地使用係数を5とするならば、100m2の土地いっぱいに建設したいなら5階建てまでしかできないが、土地面積の50%に建設するなら10階建てまで建設できるという具合だ。
しかし一部の建築士は、この方法ではコントロールが難しくなり、都市の美観や都市空間を損ねることを懸念する。そのため建築に関し公平性と調和をはかるには、ここで建設できて他ではできないという、科学的な説明が必要となる。
現在Nikken Sekkei社が、中心部の詳細な都市設計の実現に力を貸しているが、市建築士協会のKhuong Van Muoi会長は、都市設計ができるまでの間に、ビル建設が可能な通り、土地使用係数、建設密度などの全体規定が必要だとしている。
(Thoi Bao Kinh Te Sai Gon)
(2008/05/20 03:44更新) |