より多くの分野で日本・ベトナム両国の交流を
― 坂場日本大使インタビュー ―
日越関係は様々な分野で協力が拡大している。この5月、ハノイとホーチミン市で越日大音楽祭、9月には日本でベトナムフェスティバルが開催される。坂場・在ベトナム日本国大使にお話しを伺った。
Q: 現在の両国関係をどう評価されますか?
A: 2007年のNguyen Tan Dung首相の訪日で、両国関係を「戦略的パートナー」に向上することで一致しました。ベトナムは国連安保理の非常任理事国入りし、この9月、日本は非常任理事国選出に参加します。選ばれれば、日本もベトナムと力を合わせて域内及び世界の諸問題を解決します。
ベトナム経済は発展しており、ASEAN内の地位も高まりつつあります。両国は二国間だけでなく、メコン川流域、アジア・ASEAN地域におけるより大きな問題について、互いに協力していく必要があります。
Q: 日本はベトナムに対する人材育成支援を約束しました。2020年までに博士1,000人を育成するということですが?
A: ベトナムに対する日本政府の優先協力事項のひとつに、ハイレベルな教育への投資があります。先般のNguyen Thien Nhan副首相(兼教育訓練大臣)の訪日で、日本はIT、機械等に関する博士・修士約1,000人の育成奨学金支給を約束しました。
京都大学、慶応大学といった有名大学が学生を受け入れます。来年には約100人の研究生を受け入れ、その後人数を増やしていきます。
Q: 卒業後、彼らが帰国せず日本で仕事をしたいと考えた場合、日本政府はこれを受け入れるのでしょうか?
A: 彼らは留まるより資格を得て帰国するべきでしょう。彼らはベトナム政府や日本企業で働くことができます。現在約1,000の日系企業がベトナムで事業を行っており、さらに多くの企業がベトナム投資を検討しています。
在ベトナムの日系企業は、ワーカーは採用できても高学位、高技術の人材を採用できないと不満を持っています。ベトナムはハイレベルの技術者を必要としており、日本政府もそのような人材を育成したいと考えています。
Q: 日本で勉強するベトナム人学生は、日本人の生活に接するため日本語を勉強しなければなりません。しかし世界的には英語が一般的です。
A: 二つの選択肢があります。日本に来る前に日本語を学習するか、または日本の各大学でも学部より上のレベルでは英語で授業を行っており、より容易に講義に接することができます。
しかし日常生活では、現地の人と接触するのに日本語が必須です。そのため基本的な日本語を学習することを薦めています。ベトナムでは現在数十万人が日本語を学んでいます。
Q: ベトナム人にとって「Made in Japan」は高級品、高品質の有名商品と結びついています。日本企業はこのブランドを維持するためどのような問題に直面していますか?
A: 日本製品は高品質で知られています。私たちは低品質商品を妥協して受け入れることはできません。このことはベトナムでの生産過程で大きな課題となっています。ベトナムに豊かな裾野産業があれば品質維持も可能ですが、そうではないため各社は良質の部品を輸入しなければなりません。長期戦略として現地での部品生産を見ていますが、長い時間がかかるでしょう。タイで裾野産業を構築するのに、私たちは30年を費やしました。
Q: 日本企業はベトナムでの事業にどういった不満を持っているのでしょうか?
A: 多くはベトナムでの納品方法に不満を持っています。トヨタは「Just in Time」をスローガンとし、部品をすぐに組み立てに回し、在庫にしません。しかしこの方式はベトナムではまだ弱い状態です。ベトナム首脳にお会いした際、私は経済発展のための3要素、「インフラ構築」「人材育成」「支援体制」について述べ、日本政府はまた、日本の各社が日本や他国から部品を輸入しなければならないため、ベトナム側に輸入税率を下げるよう交渉しています。
Q: 在ベトナム日本大使として、ベトナムに来た際の第一印象と、今後の計画をお聞かせください。
A: ベトナムに来て2カ月ほど経ちますが、ベトナムという国、人々は本当に印象的です。ベトナムに来たのは今回が2度目で、1度目は2006年のAPEC首脳会議の際、日本政府の報道担当者としてでした。両国関係の発展について述べた際、ベトナム首脳の積極的な姿勢に強い印象を持ちました。その関係は現在、かつてないほどすばらしいものとなっています。
今年は大きな文化行事を2つ開催します。越日大音楽祭が5月24日にハノイ国立会議センター、5月26日にホーチミン市Hoa Binh劇場で開催され、両国の有名歌手が参加します。VTVで生中継され、その後日本のテレビ局でも放映されます。9月にはベトナムフェスティバルが東京で開催されます。漫画やアニメ、コスプレ、ファッションなど日本のポップカルチャーに若い世代が関心を持ち、日本の現代文化に触れることを望んでいますし、また「Made in Japan」が両国の多様な関係の中で、様々な分野に登場することを期待しています。
(Nguoi Lao Dong)
(2008/05/15 04:45更新) |