チャンス逃すベトナム企業、求められる自主性
「日本企業と仕事がしたいなら、もっと積極的に」。3月14日にハノイで開催された、製品品質の保証に関する日本企業とベトナム企業の協力セミナーで、Hi-Lex Vietnam社のAdachi社長はこう話した。
「積極的に」とは、製品の質向上、業務方法の改善とともに、ベトナムの生産業者が自社をアピールするために、より主体的、積極的に日本企業にアプローチする必要があるということだ。
ベトナム企業がアプローチ方法を知らず、自社の情報を充分に紹介できず、また敷居が高いと感じてしまうことなどから、両国企業の協力は少ない。
「日本企業に何度も会社のパンフレットを送ったが反応がない」、さらには「ウチのは質が良くないから」と連絡を取ろうとしないことすらある。受動的な態度により、ベトナム企業は日本企業との協力のチャンスを逃している。
バイクの各種ケーブルを生産するHi-Lex社は、高品質、適正価格、納期厳守を供給業者に求めているが、これらをクリアできるベトナム企業は非常に少ない。見本市や宣伝広告などを含め、様々な方法でベトナムの供給業者を探したが、希望どおりにはいかなかった。
時にはベトナム企業からのオファーもあるが、調べてみると要求に合わないことも多い。長期的な契約ができるよう品質向上を提案すると、彼らは「難しい」と首を振る。この消極性にAdachi氏はうんざりしている。
厳しい要求に応えられないことが分かっているためか、生産業者のなかには技術や製品に関する資料を改ざんする例も見られる。しかし熟達した日本人ビジネスマンはこれをたちどころに見破り、これでは信用などとても得られない。
日本貿易振興機構(JETRO)の2006年度の調査によると、ベトナムで操業する日本企業で内地化率向上と地元企業からの原料調達を望んでいるのは67.6%に上る。この数字はASEAN各国で44.1%、中国では11.8%しかない。
実際には、日本企業の内地化率はタイ・53%、マレーシア・40.8%、インドネシア・40.3%だが、ベトナムでは23.6%にとどまる。この主な原因は、ベトナムで適当な原料供給元が見つからないことにある。
JETROのKobayashi氏によると、ベトナムの部品業者が日本企業をパートナーとし製品を販売したければ、質の改善が重要となる。日本企業の実に82.1%がこの意見を持っている。これに続いて重視されるのが納期厳守(40.3%)、低コスト(38.8%)である。
2005年11月と2007年11月にハノイで開催された、購入側が必要とする製品を持ち寄った見本市に関してKobayashi氏は、売買双方で温度差が大きかったと話す。高い質を要求する日本企業に対し、ベトナム業者は要求に応えられず、両者の需給に関する認識には大きな差が生まれている。ベトナム企業の消極性もあり、歩みよりは非常に難しい。
Honda Vietnam社にバイク部品を納めるTan Hoa社のLe Ngoc Tuan社長は、この分野でベトナム企業は、日本の衛星企業や外資企業にシェアを奪われていると指摘する。
現在バイク部品生産ではシェアの60%を外資企業が占めている。2009年には70%に増加し、2010年にベトナム企業のシェアは20%にまで落ち込むだろうとTuan氏は見ている。
(Thoi Bao Kinh Te Sai Gon)
(2008/04/21 08:15更新) |