ベトナム経済、年初2カ月の変調
年初2カ月のベトナム経済は、様々な異常な動きがあった。今年ほど商業銀行が競い合って預金金利を高め、資金調達しようとした年はなかった。通常銀行はテト(旧正月)で資金需要が増える年末に金利を上げているが、この1カ月で多くの銀行が5回以上に渡り金利を引き上げ、Viet A銀行では3カ月定期で年利にして14%近く(13.92%)を設定した。他にも多くの銀行が同様の水準を設定した。
不動産市場が停滞の気配を見せているが、それは取引が減少しているというだけで価格は大きくは変化していない。一部下がっているとの情報もあるが、それは利益を手にしようと早期の取引を望む投資家による、遠隔地の一部に過ぎない。シンガポール在住のTran Van Chi氏は、「ベトナムの不動産価格は世界トップクラスだが、貧困国で1人あたりGDPも年900ドルに満たない。経済が歪んでいることの証拠」と話す。
金価格も上昇が著しい。2月27日の金価格は1テール1,833万ドン(約1,146ドル)、2月23日に1,800万ドン(約1,125ドル)超えした価格をさらに上回った。これについてホーチミン市宝石・アクセサリー会会長は、「金価格は誰もコントロールできず、これはベトナムに限らず世界でも同様。価格上昇には様々な要因があるが、その一つに財閥系の世界の金投機家を原因とするものがあり、ベトナムもその流れを避けられない」と話す。
統計総局によると、今年1月の消費者物価指数は前月比で3%近く上昇した。2月はテトがあるため、物価はテト用品の20〜30%上昇を中心に一時的に上がる。消費者はテト明けに価格が下がることを期待しているが、現在も価格は下がっていない。さらに人々の不安をあおる出来事が、2月25日からのガソリン値上げだ。
2008年のインフレ率を10%以下に抑えるべく、国家銀行は年初から、商業銀行に対する預金準備率の10%から11%への引き上げや、20兆3,000億ドン(約12億6,875万ドル)の債券発行など通貨引き締め政策をとってきた。
この決定がなされると影響は直ちに証券市場に現れ、VN-Indexは2月23日に650ポイント近くまで下がった。証券投資家らは、銀行が国家銀行の要求を受け資金を必要とするため株を売却し、市場の株価に影響が出ると予測したため競うように売却したのだ。
資金の圧力を解決するため、商業銀行は競うように預金金利を引き上げざるを得なくなった。当然融資金利も上がることになり、一部では企業向け融資について、これまでの年利12〜14%に替え、年利17.4%まで引き上げた。1カ月にも満たない間に、企業向け融資の金利は3〜4%も引き上げられたのである。
企業の今年の事業計画は、極めて高い金利と融資の制限により混乱している。ホーチミン市の衣料品会社の社長は、「融資金利が現在のようなら生産規模を縮小せざるを得ない。高金利、利益減で製品価格を引き上げれば競争は難しい」と話している。
(Sai Gon Giai Phong Thu Bay)
(2008/03/12 07:22更新) |