外国企業によるM&Aが増加、ベトナム企業は準備不足
競争管理局によると、2007年上半期だけで46件の企業合併・買収(M&A)が行われ、その額は6億2,600万ドル、2006年年間の2倍、2006年同期の15倍に上った。興味深いのは、うち30件(65%)で外国が関わっていることだ(うち22件はアジア企業による買収)。ベトナムのM&A市場は世界貿易機関(WTO)加盟から、外国投資家を強力に惹きつけるようになっている。
特筆すべきは、第一生命のBao Minh-CMG買収、豪Qantas航空のPacirfic Airlinesの株式30%取得だろう。双日はベトナム第2位の100%外資小麦粉企業Interflour Vietnamの株式20%を取得し、Vina Capitalは2006年にハノイHilton Operaホテルの株式70%を、2007年にはOmni Sai Gonホテルの株式70%を取得した。
Indochina CapitalはHoang Quan不動産の株式20%を2,000万ドル、Hoang Quan不動産コンサルティング取引サービス社の株式を1,200万ドルで取得した。Minh Phu水産はシンガポールのTemaskグループに株式10%を売却している。なお国営資本投資総公社(SCIC)幹部によると、SCICの管理する株式化した国営企業60〜70社の国有株式を一部年内に売り進める。
ほかにMekong Enterprise Fund 2のホーチミン市の携帯端末販売チェーンThegioididong.comへの450万ドルの出資や、2006年の民間レストランチェーンPho24に対するVina Capitalの株式30%に相当する300万ドル超の出資などがあるが、最も賑わっているのは銀行分野だ。
Deutsche Bank AGは1兆3,000億ドン(約8億1,250万ドル)の資本金を持つHabubankの株式10%を取得、戦略パートナーとなった。HSBCはTechcombankの株式10%取得に1,730万ドルを投じ、引き続き5%を追加取得した。
Eximbankも、資本金を2兆8,000億ドン(約1億7,500万ドル)から25%増の3兆7,330億ドン(約2億3,330万ドル)に引き上げる際、三井住友グループに株式の15%を2億2,500万ドルで売却する。同時に株式の10%を外資ファンドに売却する。
むろんここには、証券市場における日々の取引は含まれていない。韓国、日本、シンガポールなどからの投資が増えており、特に不動産、流通・小売、医療、教育、証券などの分野が外国投資家のターゲットになっている。不動産事業は大きな利益をもたらすが、プロジェクト実行の手続きが非常に煩雑なため、外国投資家は資本や技術が不足しているプロジェクトを持つ国内企業を探している。
Tiger Invest社長Phan Xuan Can氏によると、2007年に同社が手がけたM&A案件で5,335億ドン(約3,334万ドル)の投資に結びつき、うちサービス、設計、建設、不動産だけで2,000億ドン(約1,250万ドル)を占める。
M&Aはまだ始まったばかりだ。一般的にM&A市場は、明確で十分な法律、特に出資率に関する規定が整備されてはじめて活発化する。「ベトナムはWTO加盟に際し、銀行や一部合意していない分野を除き、2008年1月11日までに外資のベトナム企業の株式取得30%規制を撤廃すると約束した。政府は早期に具体的な案内文書を公告し、約束を実行しなければならない」とある専門家は言う。
またTNK Capital PartnersのNguyen Quoc Toan社長は、国内企業(売り手)に問題が多いと語る。国内企業は交渉前の準備が十分でなく、買い手にいいようにやられる。管理面で不透明な企業が多く、2重帳簿をつけている例も少なくない。このような企業は、交渉前の企業再編が先決となる。
(Thoi Bao Kinh Te Sai Gon)
(2008/03/12 07:20更新) |