ベトナムで進むドン高、輸出に影響
対ドル為替相場が大きくドン高に動いており、ドル建てで決済しているベトナムの輸出業者は小さくない不安を抱えている。
対ドル相場は今年初めから1ドル=16,000ドン以下で推移しており、1月4日の商業銀行各行におけるTTBレートは1ドル15,985〜15,987ドンで、TTSレートは15,992〜15,995ドンだったが、2月18日にはTTBレートが15,956ドンになった。年初と現在を比べると30〜40ドン、0.35%ほど動いている。
ハノイHa Trung通りに軒を連ねる貴金属店でも1ドル=16,000ドン以下になっている。2月20日の買相場は15,955〜15,960ドンで売相場は15,995ドン、この1年で最もドン高が進む状況となっている。
このような相場の動きには次の理由がある。まず外貨の流入が激しく、年末やテトが近付くに連れドルの供給が一段と増えた。2つめに、供給に対し需要が少ないことがある。国家銀行はドルを買い入れることでドンの流通量が多くなりインフレを招くとして外貨購入を制限した。さらに昨年、外貨準備のため買い入れたドルも多かった。
3つめに米連邦準備制度(FED)は2007年初めの金利5.25%から利下げし、2008年に入り2度引き下げた結果現在は3.0%となっており、国内商業銀行のドル預金金利は最も高かったときより1%近く低い4%以下で推移している。米ドルで預金していた多くの人は、ベトナムドンの場合の4割にも満たない金利にレートも低いことで損失感を感じている。4つめは、米ドルが世界的に続落していることだ。特にドルを売って金を買う人にとっては影響が大きい。
この変動はベトナム経済へ両方向の影響をもたらしている。輸出へはマイナスの影響がでる。ドルで支払いを受ける企業はドンに両替したときに損失がでることになり、実際アメリカへ1,000万ドルの水産物輸出をしている企業は昨年年初と比べ5億〜6億ドン(約3万1,250〜3万7,500ドル)の損が出ているという。
ユーロや円、ポンドなど一部外貨の場合は利益がでているが、現状ベトナムの輸出額の70%はドルが占めている。一方輸入やドルによる借り入れではプラスになる。ベトナムは輸入超過国で、外国から借金をしている国であるため両面の影響がでている。
国家銀行はこの状況に対する強力な対策をまだ打ち出していない。ドルを買い入れずドンだけを使うことではベトナム国内の需要に対応できず、もし買い入れればベトナムドンの流通量が増え、インフレが進行する恐れがある。
今後もドン高の状況が続くのは確実と見られ、これはマクロ政策を決定する上で非常に複雑な問題であることから、同様の経験を持つ地域各国の例に習うことが必要だろう。
(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam)
(2008/03/06 03:07更新) |