外国大手の注目はベトナムの政情・人材・地理的条件
世界の大企業がベトナムに注目している。経済発展に寄せる期待と、今後の事業計画について話を聞いた。
■Foxconn会長兼CEO(台湾):Terry Gou氏
最初のベトナム視察は2006年12月28日で、2007年2月にベトナム投資を決定し、その1カ月後にはBac Ninh省での電子部品工場の設立許可を取得、8月に操業を始めました。
生産にとどまらず、全国でのハイテク都市や住宅開発を目標としており、ベトナムの人々がハイテク製品の生産だけでなく、実際に製品を利用し、その便利さを享受してほしいと願っています。順調にいけば、今後5年間で毎年10億ドルを投資する予定です。
投資を決定した理由は、▽地理的条件や政情の安定、▽政府のハイテク分野への投資推進、▽政府の対応が迅速かつ適切、▽国民が勤勉で忍耐強いことなどです。安価な労働力を提供する国は他に多くありますが、若くて吸収力のある労働力が魅力です。
■Siamセメント会長兼CEO(タイ):Kan Trakulhoon氏
グループの役員はベトナム投資の将来性に明るい見通しを持っており、私自身もASEAN諸国のビジネスセミナーなどでその魅力を伝えています。ベトナムは真の潜在力があり、政府の素晴らしい指導により経済・社会の両面で発展を遂げました。今後アジア地域で投資を拡大する予定ですが、ベトナムがその中核となるでしょう。
■住友商事会長(日越経済協力委員長):岡 素之氏
ベトナムが外国投資を引きつける最大の魅力は、▽経済・社会的な安定、▽大きな市場、▽勤勉で高いレベルの労働力、▽政府の投資環境改善への取り組みです。
地理的条件が非常に魅力で、生産拠点をベトナムに置くことで、他のアジア諸国から原料を輸入し世界中に製品を輸出することができます。投資額40億ドルの火力発電所プロジェクトを進めているほか、小売市場への進出も視野に入れています。
■GE会長兼CEO:Jeffery Immet氏
地理的な条件が良く、外国投資家に有利な投資環境、政情の安定、勤勉で優秀な労働者が魅力です。国際的な評価も高まっており、ベトナムは今後5〜15年で成長率が最も高い国となるでしょう。
ASEAN諸国で成長が最も著しく、今後この地域で発展戦略の柱になると期待しています。私たちはベトナムの工業と経済分野の発展のために企業と長期的な戦略パートナーになることを希望しています。
市場として魅力的なだけでなく、国内企業との協力で世界中のGEの生産拠点への部品供給源ともなり得ます。今後約5,000万ドルを投資し、ハイフォン港近くに工場を設立し、世界の生産拠点に電機部品を供給します。2009年末には稼動開始の予定です。金融分野や人材開発プログラムの構築でも支援していきたい構えです。
■Piaggio会長兼CEO:Roberto Colaninno氏
若い労働力が豊富で、この数年安定した経済成長を続けてきたベトナムの将来は約束されたようなものです。イタリアの多くの投資家が関心を抱いています。
Vinh Phuc省でのバイク組立工場(投資総額4,500万ドル)プロジェクトは申請から2週間で承認されました。2009年半ばまでに完工する第1期の年間生産能力は5万台です。第2期に能力を倍増し、さらに環境に配慮したベスパ用のエンジンを生産します。
中国やインドに続くベトナム投資は、弊社の発展戦略の中で重要な一歩です。ベトナム工場を東南アジア・太平洋地域の生産・サービス拠点にしたいと思っています。
プロジェクトはベトナムで活動するイタリア企業の中で最大規模で、ベスパというブランドが、ベトナムのような潜在市場での高品質、技術革新の象徴となり「Made in Italy」がさらに普及することを願っています。しかし知的財産権の保護については懸念もあり、政府の協力を望みます。
■France Telecom会長兼CEO:Didier Lombard氏
1997年からホーチミン市で活動しVNPTと共同で固定電話網の開発を進めています。私個人は、ベトナムは通信サービス分野で世界一になると予測しています。
携帯電話契約はこの2年間で急成長し、EDGEの導入やADSLの普及も今後より迅速に進むと期待しています。
Mobile Edgeと3Gネットワークはベトナム全国で展開されます。ADSL回線経由の固定ブロードバンドネットワーク、WiMax、HSDPAも数年内に登場するでしょう。最新の通信サービス導入により電子教育、電子政府、電子医療のようなサービスの発展に大きく寄与し、ベトナム経済もさらなる発展を遂げるでしょう。
若年層と先進的な通信技術への好奇心が旺盛なことが利点です。政府の政策と国際経済との統合により経済成長も加速しています。ベトナムを長期的パートナーと見ています。
■Kumho Asiana会長:Sam Koo Park氏
ベトナムで活動するグループ会社は6社(Asiana航空、Kumho自動車タイヤ工場、Kumho運送会社、Kumhoレンタカー会社、Daewoo建設会社)。Binh Duong省のタイヤ工場は2008年2月に操業開始予定で投資額2億ドル、年間生産能力は3,150万本を見込んでいます。将来的に3億ドルを追加投資し、最新設備の整った世界最大規模の工場となる予定です。
グループ全体の対ベトナム投資総額は9億4,000万ドルで、今後12億ドル程度に引き上げます。Giang Vo文化商業センター、Me Tri展示場、ハノイやホーチミン市での不動産事業など、申請中の大規模案件が承認されれば、投資額は80億ドルにも上ります。
以前は中国投資が最大でベトナムはその次でしたが、今後はベトナムに集中します。韓国は現在最大の対越投資国で、韓国企業の中でトップとなることを狙っています(現在はPosco)。
ベトナムは優秀な人材が揃い韓国と文化的共通点も多いことから優先的に投資しています。投資の強化はベトナムの経済成長だけでなく、両国の経済関係の発展に貢献します。
■Standard Chartered銀行会長:Mervyn Davies氏
金融分野の自由化が進めば、私たちの活動の幅は広がります。ベトナムは若い人材が豊富で学習レベルが高く、高い経済成長率やビジネスレベルがあることから、私たちが活動する56の市場のなかでも非常に魅力的です。
今後100%独資の銀行を設立する考えで、アジア商業銀行(ACB)との連携もさらに深めます。ベトナムでの2006年の売上は前年比30%増となりました。ハノイとホーチミン市に支店を構え、ベトナム人職員は100人、投資額は1億ドルに上ります。
(Dau Tu)
(2008/03/04 04:12更新) |