ベトナムの子供達に笑顔を、日本人医師の情熱
口唇・口蓋手術の慈善事業をBen Tre省で15年行っている日本口唇口蓋裂協会の理事・夏目長門氏は、真面目な性格と、その責任感で患者に厚い信頼を受けている。
最優先するのは患者の健康と安全。深夜12時、Ben Tre省人民委員会のゲストハウスで休んでいる彼に、昼に手術をした患者が出血していると連絡が入った。当直の車がなかったため2km離れた病院まで走り、患者が安定してようやく自分が短パンのまま飛び出してきたことに気付いたという。
夏目氏の診察は慎重で、チームにも厳しい規律を設けている。メンバーの仕事は、その日予定されている手術が終わるまで。長時間の手術で疲れれば、自分に点滴を打ち、最後までやり遂げる。
夏目氏の1日は長い。朝5時半、Nguyen Dinh Chieu病院の手術科に誰よりも先に来て、術後の患者を診てまわり、その日予定されている手術を確認する。就業時間が過ぎると年配の医師を先にホテルで休ませ、彼は最後まで病院に残って手術患者が安定したのを確認してからバイクタクシーで帰る。
子供達に笑顔をもたらした日本口唇口蓋裂協会は、手術だけでなく、術前・術後を通じ全ての患者が十分に栄養を摂取できるようにと、15年間で1万6,000ドルを寄付している。夏目氏は言う。「患者とその家族の生活を援助するのも需要なこと。病気の子供達が、不自由ない生活を送れるよう助けたいのです」。
Nguyen Dinh Chieu病院の医師にも、服装から縫合、消毒、抜糸、手術に臨む態度まで、一から丁寧に情熱を持って指導し、技術の習熟により助手として参加させている。
2007年12月、協会とBen Tre省出身者が社長を務めるViet Long社が7万5,000ドルずつを出し合い、手術室6室を含む手術科を創設した。Ben Tre省での協会の活動は10年を超える。アジア各国で活動しているが、3年以上の活動はここ以外ない。
「Ben Tre省はベトナムで初めて活動した場所。ベトナムを第二の故郷のように感じていますし、Ben Tre省は我が家のようです。Ben Treに行ける12月を待ち侘びています」と話す夏目氏はこの15年間、家族でクリスマスを祝うことより患者を助けることを優先し、協会の医師団とここを訪れている。
Ben Tre省での手術活動は15年に及び、1,300人以上が手術を受けた。2007年12月の活動で医師団が診察した子供達は149人に上る。
夏目氏は、予防薬の研究の成功を明かした。日本では、親類にこの病気の人がいる妊娠中の女性が予防薬を飲むことで、60%の確率で病気を防いでいるという。夏目氏は、まず初めにBen Tre省でこの薬を普及させたいと考えている。
Ben Tre省の人々に惜しまぬ援助を続けた夏目氏は2007年12月、政府から第3等労働勲章を受勲した。
(Tuoi Tre Online)
(2008/01/23 06:11更新) |