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ベトナム音楽と1975年の壁
1975年以前の優れた音楽の多くは、海賊版ソフトが無ければ、現在人々が耳にすることはなく、完全に失われていたかもしれない。
ベトナム音楽界の財産として小さくない位置を占める1975年以前の音楽を、人々の暮らしに返し、ある時代の芸術的価値を無駄にしないよう見直すことは、すでに長い間、音楽関係者、人々から叫ばれていた。だが管理機関は現在もなお慎重姿勢を崩さず、2008年1月時点で流通が認められている1975年以前の音楽は、700作品に過ぎない。
音楽家Pham Duy氏が帰国し生活を始めてから2年以上が過ぎたが、彼と制作会社Phuong Nam Filmは4回に渡り申請し、1,000曲に上る作品のうち、芸術上演局から54作品の流通を認められた。同様に音楽家Trinh Cong Son氏(故人)の作品は1975年以前のものが600曲程度あるが、70曲しか許可されていない。国の統一から30年以上が過ぎたが、音楽の宝庫の発掘はわずかしかなされていない。
この一時代の音楽作品について「どのようなものが禁止か」という枠組みは存在する。だが実際には曖昧だ。
音楽家Nguyen Thuy Kha氏は以前、1955〜1975年に南北で生まれた音楽作品99曲を編集した作品集を没収された。管理機関によると12曲の禁止作品が含まれていたからだ。しかし内容を見れば、それらの歌曲は愛に関するもので、革命に反する内容はまったくなかった。
Ngo Thuy Mien氏の「Ao Lua Ha Dong(Ha Dongの絹衣)」、「Niem Khuc Cuoi(最後のうた)」はコンサートなどで歌われているが、「Paris Co Gi La Khong Em?(パリはどうだい?)」は禁止だ。「Bang Bang」はPham Duy氏がベトナム語の歌詞をつけ、My Tamさんをはじめとする歌手がCDをリリースし、ステージで歌ったが、文化情報省は国内の音楽家が歌詞をつけたものと勘違いし、当時外国にいたPham Duy氏の手によるものと分かった後に禁止した。
芸術上演局のNguyen Ngoc Cuong局長はかつてメディアに対し、「音楽作品の受難は局の責任でなく、音楽家自身のミスだ。どんな曲が禁止かを知らず、局が公開しているリストもチェックしていない」と話したことがある。
だがこれについて音楽家Nguyen Thuy Kha氏は、ある作品について許可を願い出たところ、音楽家会は芸術上演局のリストを持たないことから、直ちに許可を出したことがあったと話した。専門の音楽団体でさえリストを持たない状況で、人々の記憶に頼らなければならないとすれば、それはあまりに無謀な要求というものだ。
外国の音楽を真似したような、また「安い」音楽が市場を賑わしているのに対し、時を超える楽曲は塵に埋もれているか、ヤミでの流通を余儀なくされている。文化スポーツ観光省は音楽家や制作会社、一般に呼びかけて許可されていない1975年以前の音楽に関する資料・リストの提供を呼びかけ、能率的に再検討すべきだろう。ウェブサイトなどを開設しこれを実行することは決して難しいことではない。
政治に対する異なる考えを持つ音楽家、反動的な内容の作品を慎重に扱うことは間違いではないが、作品が生まれた時間だけを見て禁止とするのは、とても理解し難いことだ。
(Phu Nu)
(2008/01/23 06:06更新) |
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