ベトナムで工員寮が人気、物価高などが背景に
ホーチミン市Tan Thuan輸出加工区の居住区では夕方、サッカー場とバレーボールコートが賑やかだ。各々がそれぞれの服装で、裸足の人も少なくないが、和気あいあいとした雰囲気に包まれている。Futaba社で働くTrangさんは、「夕方はみんなここに集まります。外の下宿に住んでいたときは、仕事の後にこうして遊ぶことなんてありませんでしたね」と話す。
昨今の物価急上昇で家賃も値上がりした。多くの人が輸出加工区の居住区に移るようになったのは、外より少しばかり安くつくからだ。この輸出加工区が供用を始めたのは2007年8月、2棟あり1,000人を収容できる。
家賃は一人あたり月額6万〜12万ドン(約3.8〜7.5ドル)、登録者はすでに1,000人を超えている。FAPV社に勤めるVanさんはこの居住区を選んだ理由について、家賃のみでなく清潔さ、安全さを挙げた。Three Bambi社とNidec Copal社が約200人分を借り上げている。
Linh Trung 1輸出加工区では、Nissei社が260万ドルを投じ無料の工員寮を建設した。規則が窮屈だとして以前は毎月10人ほどが寮を出ていたが、最近では毎月70〜100人が入寮を希望している。同社労働組合によると、寮では1,500人を収容できるが、新規採用の工員への割当て分を確保するため1,000人しか入寮させていない。
Tan Thuan輸出加工区の居住区では以前、火災の危険性があることから内部での調理を禁じていた。しかし需要が多いため室内で調理できるよう整備した。管理委員会は食堂や雑貨店、公衆電話、テレビなどを設置し、工員が暮らしやすいよう配慮している。Nissei社の寮では、洗濯機、乾燥機、電子レンジ、温水などが完備されているほか、図書室やバドミントン場、カラオケルームなどもある。
ホーチミン市では現在15の輸出加工区・工業団地があり22万人が働いている。うち70%以上で住の需要があるが、Nissei社以外に工員寮を建設している企業はほとんどない。Tan Thuan、Tan Binh、Linh Trung 1など輸出加工区・工業団地が設置している労働者向けの住居も、需要のわずかに対応できているのみだ。
企業も困難に直面している。Nam Sai Gon開発社のTran Manh Chau社長はこう嘆く。「資金は市人民委員会から借り入れました。支援は受けましたが、金利や管理・維持コストなどで毎月7,000万ドン(約4,375ドル)の補填が必要です。損失をカバーするには家賃を上げるしかありませんが、そうすれば工員の負担になります」。
Nissei社も毎月9,000ドルのコストがかかっているが、現在も土地賃貸料や税金の面で支援を受けていない。新たに2棟の建設予定があるが、ストップせざるを得ない状況だという。
(Nguoi Lao Dong)
(2008/01/22 03:54更新) |