ベトナムカントー橋崩落事故、3カ月前の警告
日本工営のコンサルタントをしていたエンジニアKudo Hiroshi氏は、カントー橋建設プロジェクト責任者に対し今年6月27日付で、支保工系統が安全係数を満たさず作業条件が非常に危険、請負業者に再設計を求める内容の警告文を送付していた。
別のエンジニアも2007年1月12日付文書で、仮支柱系統の施工方法に言及し、施工にあたっては安全度の確認のため仮構造の載荷実験を求めている。これら警告が実行されていたのか、関連当局は明らかにせねばならない。
義務付けられた工程でもある載荷実験が実際に行われたかは検収書類や写真を検査する必要があり、また実験に使われたコンクリートの山は現場に残っているはずだ。
載荷実験により仮支柱沈下が発見できる。メコンデルタの軟弱な地盤でこの実験は不可欠だ。支保工系統の問題を取り除くこともできる。例え設計に問題がなくても、未熟な作業員が作業にあたり問題が生じた場合、実験で露呈し、この時点で克服できる。
9月29日、カントー橋崩落現場で、交通運輸省および主請業者が記者会見を開いた。主請負業者が報道陣の前に正式に姿を現したのは事故後初、この席で大成建設の葉山会長は、被害者やその家族、ベトナム国民、ベトナム政府に対し謝罪の意を表した。
責任の所在についてHo Nghia Dung交通運輸大臣は、主請負業者が責任をとるものとし、交通運輸省も管理面で責任があると答えた。
なお福田康夫首相は、カントー橋の崩落事故に関し哀悼の意を示した電報のなかで、日本が救助および原因究明のためベトナム関連当局と協力、支援する準備があるとしている。
(Tuoi Tre/Thanh Nien/Thoi Bao Kinh Te Viet Nam)
(2007/10/03 07:46更新) |