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コラム

外国人とベトナム少数民族の結婚、その背後にあるもの


 ハノイ在住のカナダ人ジャクソン・ウィリアムさん。身長2m近く、体重は100kg以上あろうかという彼の隣に並ぶMong族の妻Ly Thi Soさんの背丈は、やっと彼のへそを越える程度。

 2人のなれそめは、秘境めぐりの旅に来たウィリアムさんらが、物売りをしながらガイドを務めるSoさんに、Sa Pa最高峰の山Phanxipang登頂の同行を依頼したことだ。

 Soさんは7歳の頃、家計を助けるため故郷の山を下りLao Chaiで旅行者相手の物売りを始め、その後Sa Paにやってきた。ベトナム語は不自由だが、多くの外国人と接するため、訛りの入った英語はスラスラと口から飛び出る。

 自由に恋愛を楽しむ気質の欧米人と、損得勘定しない山間部の少女。寝食を共にした1週間に及ぶ登山は、2人が親しくなるには十分だった。ウィリアムさんは、ロマンチックな風景の場所を選び、ひざまずいてSoさんに「結婚したい」と告げた。

 一方Soさんは、民族の伝統である「花嫁奪い去り」に従い、逃げ出す自分を捕まえて欲しいと考えていた。だがここで逃げ出したら、この外国人は追いかけて来ないかもしれない。強引に連れ去ってくれなかったらお終いだと思った彼女は、民族の伝統儀式をおいて彼の胸に飛び込んだ。

 友人達は帰国、ウィリアムさんは残ってSoさんと暮すことを決意した。当時Soさんはまだ16歳。よって2人の結婚は認められず、一緒にカナダへ帰ることもできなかった。彼は近郊県の外国組織による麻薬更生プロジェクトで働くことにした。週末や空いた時間を見つけてはバイクを飛ばしSoさんの元へ帰る日々。時には彼女に代わってツアーガイドにもなった。

 2年間待ち続けた末、18歳になったSoさんとウィリアムさんは、Lao Cai省法務局に婚姻届を提出した。長きに渡った苦労が報われたことを祝い、ウィリアムさんは超豪華披露宴を催した。Lao Chai村中の人が招待され、酒宴は何日にも渡った。3頭の牛、10頭の豚、鶏やアヒルに至っては、数え切れないほどの数が解体された。

 以降、欧米人と結婚した村の女性は、彼女に倣って盛大な結婚式を開催する費用を夫に要求し、子供から役人まで村中の人を招待するようになった。Mong族の女性が豪華な披露宴を好むのは面子もあるが、自分は外国人の愛人ではなく、真面目に愛しあって結婚したのだと村中に証明したい気持ちがある。

 結婚後、ウィリアムさんはある外交機関に就職、妻を伴ってハノイに移り住んだ。結婚4年目の現在、Soさんはガイドの仕事を辞め、Hoa Sua学校で料理を勉強している。2人の子供にも恵まれた。

 山岳地帯から離れて4年経つが、Soさんは少数民族としての姿を失っていない。「夫は変わってるの。生活や育児も全部Mong族のしきたり通りにやらせるのよ。民族衣装を着てるから、どこへ行っても皆『どこの山から下りてきた?』って顔で見るわ。でも、彼はそれが好きなのよ」と彼女は話す。

 他にも欧米人と結婚した数名のMong族の女性が、民族衣装をまとい、伝統文化を守ったままハノイで暮している。彼女達の夫は、このMong族文化を溺愛しているのだ。

 Sa Paから10km弱のLao Chai村は、少数民族の村を訪れるツアーの最初の目的地。ここから各村を巡るコースが外国人に人気だ。少数民族の子供は、5歳になると土産物を担いで観光客を取り巻き始める。この地は「欧米化」のほうが、「ベトナム化」より激しい。

 村の公安長のChuさん(21歳)は、外国人と結婚する村の女性に話が及ぶと、「多いですよ! パスポートの申請書などを見てるからよく分かります」と一言。彼が知るだけで20人程の女性が国際結婚、実際はさらに多い。だが現在婚姻届を出しているのはわずか5組。結婚後、ハノイや海外へ移り住む夫婦も、Sa Paで暮す夫婦もいるという。

 「綺麗な女性は皆外国人と結婚、村の青年達は寂しくないですか?」と尋ねると、「そりゃね。旅行業に従事する娘は皆外国人について行って、夜『花嫁奪い去り』に行っても、奪う娘がいない」とChuさんは答えた。高卒の彼は、貧しいこの村でおそらく一番の高学歴者。この年齢のMong族の男性は、妻も子供もいて当たり前だったが、彼にはまだ恋人もいない。

 Chuさんによると、外国人は「花嫁奪い去り」の習慣が大好きだ。村に宿泊したあるイギリス人男性が、村の青年達に金を渡し、「花嫁奪い去り」に連れて行くよう要求した。民族に伝わる笛の音と愛の歌を聞いた女性が扉を開けると、笛と歌の主である青年達は消え、その女性をイギリス人男性が「奪い去った」。

 その女性は、今では自分を奪った男性とSa Paで夫婦同然の暮らしをしているという。時折村に帰ってくるが、昔のようなひび割れた素足ではなく、スニーカーを履いて化粧をし、ストレートパーマの髪をなびかせ闊歩する彼女は、今では村の女性達の憧れだ。

 Chuさんは、山の斜面にあるPaoさんの家を指した。先日Paoさんの娘が欧米人と結婚し、今だかつてない規模の盛大な結婚式を挙げて一躍有名になった。ただPaoさんの家は相変わらず、崩れかけた壁をさらしみすぼらしいままだ。

 家を訪ねるとPaoさんは酒を飲み、彼の妻は機織をしていた。彼女を写真に収めると、Sa Paで土産物売りをする子供達と同じ、「撮るならお金払って」との言葉が返ってきた。Paoさんに、「お嬢さんが外国人と結婚して心配は?」と聞くと、「うちの娘を捕まえたのなら娘はそいつの物。たまに夫婦で帰ってきて、俺に酒代をくれるから嬉しいさ。あの男はいい奴だ」と答えたが、彼は今だ娘婿の名前を知らない。

 筆者が県公安に問い合わせようやく男性の名前と、ノルウェー人ということが判明した。夫婦は現在、Sa Paで貧しいながらも幸せに暮しているらしい。

 Sa Paの公安は、外国人と婚姻年齢に達していないMong族女性のカップルの存在を認知しているが、児童への性的虐待で逮捕するには至っていない。何年も前から同棲生活を送り、女性が18歳になったところで結婚したフランス人男性とのカップルも、犯罪の立証ができなかった。

 他にも、欧米人と夫婦同然の生活を送る18歳未満の娘を持つ男性に法律の定義を説いても、「俺は13歳から妻と一緒に寝ていたが、牢屋に入ったことなんかないぞ」と言い返されたケースもある。

 Sa Paで旅行業に従事する女性の多くは未成年。婚姻年齢に達しないため結婚できないカップルは数十組に上る。だがこれが、児童に対する性的虐待ではない、と言いきれる人はいない。イギリス大使館とSa Pa警察及び各機関が児童性的虐待防止キャンペーンを行ったこともあるが、効果はほとんどなかったようだ。

 Sa Pa県公安長は、あるイギリス人男性の恋人だったHau Thao村出身のTungさんのケースを語ってくれた。

 旅行ガイドだったTungさんと最初に出会った2005年4月を含め、男性は計4回彼女の元を訪れている。2人は共にHa Long湾やハノイを泊りがけで旅行し、3回目の訪問ではハノイに家を借り、一緒にベトナム語の勉強に通ったりもした。

 またこの時、男性はTungさんの両親に100万ドン(約63ドル)を渡している。4回目の訪問時には、300万ドン(約188ドル)渡し、「結婚させてくれたら700万ドン(約438ドル)追加する」と父親に告げた。だがTungさんと両親が結婚話を議論している間に、他のベトナム人男性と麻薬を打っていたイギリス人男性は薬物ショックで死亡。駆けつけたTungさんは、涙どころか悲壮な表情も浮かべなかったという。

 現在故郷で暮すTungさんの家を訪ねた。彼女の村は、山岳地帯の高い山の上。周りは石だらけ、冬場は小川も凍りつき、人々は飢えと寒さに苦しむ。訪問時、現在フリーのガイドをしているという彼女は不在で、両親も日銭を稼ぐため森に入っていた。

 同行した村の役人が、「Tungが外人とくっついているのを見て父親に警告したが、『俺も叱り飛ばしたかったが、酒が底をついてな』と言われたよ」と話してくれた。


(Tuoi Tre Cuoi Tuan)

(2007/09/26 07:49更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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