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コラム |
ベトナム:夫の影で暗躍する妻たち
国家主席夫人Tran Thi Kim Chiさんは、嫁いだ当初に家族に呼ばれていた愛称「chi Sau」で呼ばれることを好む。2006年に開催されたAPEC (アジア太平洋経済協力会議)、彼女のシンプルで親しみやすい出で立ちを通じ、国家主席に親近感を持ったテレビの視聴者も多かった。主席が国務に専念できるのも、このような女性が家にいればこそ。
『Phu Nu』紙2007年春号に掲載された、主席夫人の穏やかな笑顔の写真に好感を持った読者は多い。主席夫人は自他共に認めるその素朴さで、人々に愛されている。主席を夫に持つ彼女の生活は、市場での買い物、食事の支度、夫子供の世話、夫の悩み相談相手など、一般の妻たちと何ら変わらない。夫が喜びや幸せを感じられるような家庭を作り、夫を支えている。
一方、これとはまるで正反対、夫より強い「権力」を持つ妻たちもおり、最近では、幹部である夫たちの犯罪行為の背後にいる妻たちが、メディアで取り上げられることも多くなった。
先日の商業分野幹部の輸出入クオータに絡む賄賂に関する再審では、人々の証言から、事件につながった様々な原因の中でも、幹部の妻が大きく影響していたことが分かった。特に注目を集めたのが、ある企業の社長に対し、クオータ割当てを夫に融通させると約束し、数万ドルの支払いを促した件だ。
妻は、受け取った金銭について、幼稚園建設のために借りたものとしているが、企業の社長は、相手が幹部夫人でなければ金は渡さなかったと証言、証拠が揃えば、職権濫用罪でこの妻も起訴されると見られている。
昨年にはDong Nai省で、わいせつ画像を頒布した事件の主犯が、同省公安職員の妻であることが明らかになった。同省公安の中佐で行政・社会秩序管理室長だった夫は、ネット上でのアダルトビデオ販売の盾になっていた。裁判で夫は、妻の違法行為に気付かなかったとし、証拠に2005年に届出た離婚届を提示したが、その後も夫婦が同居していたことから証拠として認められなかった。そして、妻の貧欲さの結果、夫は免職となった。
ホーチミン市Hoc Mon県では、財務計画室長が、立ち退き補償の書類作成における職権濫用で逮捕された。この事件でも、妻が事件に関与していた。どの事件も、夫が妻の違法行為を知らないはずがなく、夫婦が共謀していることは明らかだ。
誠実な人はいつも自分を忘れ、人々のために全力を尽くし、模範的な暮らしをし、競い合ったり妬み合うこともない。そのような夫に安心し、誇りを持つ妻もいるが、妻子のことを全く心配していないと不平を言う妻もいる。
ある誠実な教育分野幹部の妻は、清廉で汚れのないなど「褒め言葉」でしかないときっぱり。この先、子供が大学を終える前に夫が退職すれば、貧しい生活に陥るかもしれない。そこで妻は、夫に代わり家族の心配をするようになった。
家族を思うその「心」は次第に膨張し、郊外に小さな土地を買えるほどの額にしかならないものの、妻は現在の夫婦の住居を売り、家を新築することを決めた。そして夫の部下やこれまで面倒を見てきた人々に「投資」を呼びかけ、「手を貸していただきたいのですが」、「夫は家族のことなど気にかけないために、私は苦労しっぱなしなのです」とあちこち電話をかけた。
結果、人々の同情心から設備の整ったヴィラ風住宅を建てることができた。だがそれから妻は、様々な事業へのサインや部下たちの昇進を夫に持ちかけねばならないようになり、夫婦にはケンカが絶えなくなった。
建設分野のある幹部夫人にとって、権威は身につけるアクセサリーのようなものだ。機関のなかでも、幹部である夫の「上司」が妻であることは知られており、安定を求める夫の部下たちは、祝日や正月に顔を揃え「年貢」を納めに行かねばならない。それに欠席すると必ず、「あの方は随分遊びにいらっしゃらないわね、そろそろ異動かしら」と言われる。
彼女は夫の権力を利用し、人々も「玄関」よりも「勝手口」からの方が入りやすいことを知っている。そして夫は、部下に対し何も知らない振りをするしかない。
幹部の地位に就く男性は、家庭内でも問題が起きるのを嫌い、丸く収めたい人が多い。だがそれが、妻が夫の「上司」に就任し、妻が夫を牛耳るきっかけになっている。
(Phu Nu)
(2007/09/21 07:39更新) |
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