ベトナム:経済犯罪、企業と警察の連携が不可欠
企業と経済警察の協力関係は、市場経済導入から20年以上を経た今でも改善が進んでおらず、企業活動に支障をきたしている。
公安省警察総局とベトナム商工会議所(VCCI)はハノイで先ごろ、企業と警察の協力促進を目的としたセミナー「国際経済参入過程における企業保護」を開催した。VCCIのVu Tien Loc会長によると経済犯罪は増加傾向にあり、2001〜07年6月に摘発された経済犯罪・違反は16万3,634件、インフラ工事、不動産取引、労働輸出、銀行、著作権侵害、偽造品、密輸などで多い。
VFAM Vietnamコンサルティング社社長で弁護士のVu Xuan Tien氏によると、融資詐欺のケースが目立つようになっている。国内企業の資金不足を悪用し、企業側に有利な融資条件をちらつかせデポジットを要求、支払いが終わると音信不通になる。2006年初めには投資ファンド代表を名乗るカナダ人が、植林事業への参加企業に対する年利2.5%での融資かつ最初の5年は無利子という触れ込みで、山岳地帯への実地調査への協力を求めた。調査は某企業協会の取り計らいで実現したが、投資家の正体は単なるバックパッカーであった。
Tien氏は、「経済警察は企業保護の強化が必要。外国パートナーに関する情報不足が原因で、資金力や企業実態が不明なままペーパーカンパニーや資金力のない個人投資家と契約した結果、多くの合弁プロジェクトや共同事業契約が破綻している」と述べた。
偽ブランド品や偽造品の防止も今後の課題だ。ベトナム企業の製品やブランドが偽造被害にあっても、ベトナム企業は現状、手も足も出ない。技術移転における詐欺も深刻で、技術移転が行われるプロジェクトは多いが、情報不足が原因で最先端技術を導入したつもりが、実は旧式というケースも報告されている。
企業側からは、経済警察は企業により対応が異なり、関連当局は政策を把握していないという声も聞かれた。例えば、文化情報省の通達69号(2006年8月28日付)では、旅行者宿泊施設で星つきであればカラオケやディスコ経営は事業許可申請不要と明記されている。だが某旅行会社が投資するハノイの4つ星ホテルへのカラオケ設置について公安は、事業許可書の未取得を理由に行政違反と見なした。
VCCIハノイ支所のVu Duy Thai支所長は、「多くの企業が警察との協力や連携を躊躇している。企業側の警察に対するイメージは、規定以上に厳しく処分する機関というもの」と話した。
VCCIのLoc会長によると、国際経済への参入が進めば不正取引・ハイテク犯罪・金融犯罪・証券・知的財産権侵害などの新手の経済犯罪発生が予測され、警察は管理強化・専門部隊の編成・企業との連携が求められる。
Tien氏は、企業側と警察側との情報交換を円滑に進めるため、警察総局による企業保護関連ウェブサイトを設置する必要性を唱えた。警察総局の代表は、企業と警察の協力関係を構築し、企業側に対する保護強化実現のための法律違反等に関する情報を募るにあたり、企業側とのEメールによる連絡も視野に入れていると述べた。
(Thoi Bao Kinh Te Sai Gon)
(2007/08/14 05:20更新) |