HOTNAM!ベトナム最新情報 HOTNAM!トップ | ベトナムニューストップ ベトナムニュース 【The Watch】 ビジネス最新情報

トップ ニュース フォーラム 基礎データ 書店 生活情報 ディレクトリー
 ニュース検索
 ニュースカテゴリー
ニューストップ
政治・経済
投資・進出
日系企業情報
事件と出来事
統計情報
人事・法律・会計・労務
社会とトレンド
コラム
クローズアップ
インタビュー
 TheWatch ニュース
週4回(火・水・木・金)電子メールで最新ベトナムニュースを送付、日系進出企業の定番情報収集メディアとなっています。
定期購読(TheWatch)
 ベトナム関連書籍
ベトナム関係の書籍情報をさらにジャンル別などで細分化し、分かりやすくベトナム関連情報を紹介しているインターネット本屋さんです。
HOTNAM!ベトナム書店

コラム

海の安全を守る男達――ベトナム海上警察隊


 1998年に発足したベトナム海上警察隊。領海警備のみならず海難救助、海賊・密輸・麻薬取り締まりなど、活動は幅広い。第1海域102海上隊の所属船3005号に乗り込み、海上警察の任務に同行した。

 ハイフォン市Dong Hai港を出発した船は波の中を進む。「全員朝食!」とスピーカーから号令が響いたのは早朝5時30分、あっという間に食事を終えると、訓練が始まる。海に飛び込んでの救助訓練、オレンジ色の浮き輪が海に投げ入れられ、救助から人工呼吸まで素早く行われる。その後は実弾射撃訓練。砲台から鳴り響く音と火薬の臭いがたちこめる。

 厳しい訓練を終え、夜は思い思いに過ごす。談話室でテレビを見る隊員、デッキで話をする隊員、目前に広がる真っ黒な海でイカ釣りをしている隊員もいる。釣れたイカをその場で茹でて食べると、実にウマイ。当直を除いて、21時に就寝となる。

 4日目に入り、乗船後まだ一度も入浴していないことに気付いた。ある隊員に浴室の場所を聞くと、「司令部からの許可がないと入れないぞ。水は貴重だからな」と笑われた。全員が思う存分入浴できたのは、6日目の訓練を終えた時だった。
長期訓練を終え帰港、陸の感覚を取り戻す間もなく、巡視船4003号に乗り込み、Quang Ngai省Mo湾付近の海上巡視に同行した。密輸船が頻繁に行き交うエリアという。

 9時40分、中国海域方面に向かって進む大型船を発見、隊員らはまたたく間に準備を整えモーターボートで出動、大型船に接舷した。84トンの石炭を積載するこの船の船長は、一等ライセンスを所持していなかった。すがる船長に、担当中尉は、「処罰は貴方への警告のため」とぴしゃり。

 不意に雨が振り出した。強い風でモーターボートは激しく揺れ、全てを飲み込もうかという波が押し寄せる。検査対象船に接舷しようとするが、なかなか上手くいかない。やっとのことでボートを寄せたが、乗り移ろうとした隊員が足を滑らせ、あやうく海に転落しそうになった。

 巡視艇が接近しにくい嵐を利用して、多くの違法船が波間を進む。だが、小さなボートは負けずにそれらに追いつき、過積載やライセンスの不備などを厳しく処罰する。夜中3時近くになっても、パトロールは終わらない。この時間こそ警戒が必要なのだ。

 穏やかな朝を迎え、静かな海面から顔を出す太陽を皆で甲板から眺める。「海上警察の幸せはこれに尽きる」ある隊員がつぶやいた。

 危険な任務も多い。2006年末、海上警察隊とQuang Ninh省公安の麻薬取締課は、Bac Giang省・Bac Kan省からハイフォン市・Quang Ninh省を通して海外に売りさばく麻薬輸送ルートに関する極秘情報を入手、2カ月にわたる秘密調査の末、組織を包囲、複数の偵察部隊が同時に組織の主要人物を確保、ヘロインを押収した。犯人の一人は銃を所持、発砲しようとしたところを取り押さえられた。

 輸送組織が海上に出れば、コンテナや大量の荷物に隠したり、海に放棄し証拠隠滅を図る可能性が高いため、海と陸の警察の連携が欠かせない、と麻薬取締課長は言う。海上警察麻薬取締課が発足してから2年足らずだが、海岸部28省・市、島で数々の作戦を決行、実績を挙げている。

 ある海上警察船長を務める大尉は、「外国漁船は電気ショックで漁をすることもあり、我が国の水産資源に大きな影響を与える。抵抗も激しく、警察船に銃を向けることもある。ある時、2隻の領海侵犯の外国籍の船を発見した。慌てて逃げた彼らの網が警察船のスクリューにからまったが、2時間近く強風と高波の間を追いかけ、2隻とも拿捕に成功した」と語る。

 2007年4月には、Quang Binh省とHa Tinh省境の海域で、希少木材の闇取引を行う小船が集結しているという情報をもとに隊が出動、現場を包囲、伐採・利用が禁止された種の木材を押収した。その他、希少鉱物の輸送現場を押さえた隊もある。

 特筆すべき功績は2006年8月、西南海域での海賊追跡劇だ。朝8時頃、第5海域指令局は、高速艇が4隻のベトナム籍漁船を包囲・拿捕しているとの情報をキャッチ、警察船2002号が緊急出動した。10時になって拿捕された漁船を救助、海賊達はあわてて高速艇に乗り移り逃走を開始した。

 追いかける警察船に向かい銃を放つ海賊船、響き渡る銃声の中、警察船2001号の応援を受け、2隻はこの海賊船を両側から挟み撃ちにした。海賊船に次々と突入した隊員達は、外国籍の4人の海賊を逮捕、人質となったベトナム人機械技師を救い出した。

 第1海域軍務補佐Hiep中尉は、毎日義足の左足で指令局に向かう。2年前、28歳だった彼の体の一部は海に沈んだ。不審船を発見し乗り込もうとした彼は、突然の波でバランスを崩し、足を2隻の船の間に挟まれた。命は助かったが左足は切断。平静を保つ彼に、医師達は驚いた。「この仕事を選んだ時から覚悟はしていた。でも、まだ若くて何の功績も挙げていなかったのだけが悔しくて」。彼はその後、事務職を任命された。巡視船が沖合に出て行くたびに、波間に小さくなっていく仲間の姿を見つめる。

 1993年に海軍学院を卒業してから、海軍の任務に就いていたTue少尉は1998年の海上警察発足時に、警察船船長に任命された。彼の妻は教師、年に一度しか帰省を許されない夫に代わり家庭を切り盛り、二人の娘の面倒を見ている。市場経済発展に伴い多くの仲間が職を捨てるなか、いくつもの会社から引き抜きの声があったにもかかわらず、彼はこの仕事を続けている。「辛いし、給料は低い。でも誇りなんだ。私の血肉となっているこの仕事を、離れられやしない」。

 家族から離れて任務に就く彼らの中には家庭不和に悩む隊員もいる。だが海への愛情、苦難を共にしてきた仲間たちも捨てられない。

 隊員の妻は教師が多い。Son中尉の妻も教師、学生時代に知り合ったという。軍隊に入ってからも手紙のやり取りが続き、ある日、家族宛ての手紙を入れる袋に間違って彼女への手紙を入れてしまったことで、家族に知られることになった。結婚式間近になっても、彼は遠い海の上。やっと陸に上がり、式の礼服を借り新婚家庭の新しいベッドを揃えるのが精一杯だった。式が終わればまた海へ。

 久々の休暇で帰省した彼を見た息子に、「誰か軍人さんが来た」と泣かれたこともある。妻は、こう言う。「正月や休日、家に何かあったときや、子供が病気をした時はちょっと寂しいけど、もう慣れた。海上に台風が来たというニュースを聞くと、心配で眠れなくなる」。家庭の温もりを満喫する間もなく、彼らはまた任務に向かう。


(Tuoi Tre)

(2007/08/13 07:03更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

『ベトナム最新情報』は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。
詳細は『ベトナム最新情報』をご覧下さい。

ベトナムニュースヘッドライン

[クローズアップベトナム最新情報5084号 目次(07/20)
[コラム 日本人が起業したKAMEREO、ベトナム飲食業界の未来に貢献(07/20)
[日系企業情報日本のイオンが「ベトナムウィーク」、ベトナム産果物を輸入販売(07/19)
[コラムスマートホーム市場、無限の潜在性(07/14)
[日系企業情報日本製品販売チェーン、「PANPAN」が人気(07/13)

HOTNAM!トップ > ベトナムニュース > コラム > 海の安全を守る男達――ベトナム海上警察隊 
トップ ニュース フォーラム 基礎データ 書店 生活情報 ディレクトリー

広告掲載 - お問い合せ - 利用規約 - プライバシーポリシー
©1999-2022 HOTNAM! All rights reserved.