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人種のるつぼ、ベトナムホーチミン市


 ホーチミン市Nhieu Loc支流付近の路上飲み屋で、同郷の友人Tiに20年ぶりに再会した。この街で成功したTiは、この飲み屋を「サイゴンらしさ溢れる場所」と言う。
辺りを眺めると、宝くじを売る台や落花生のざる、お菓子の手押し車、靴磨きの箱などを抱えた移住者たちの帰宅ラッシュで支流を越える橋が賑わう光景が見えた。

 宝くじ売りの青年を指差しながらTiは話し始めた。「あれが、僕がここに来たばかりの時の姿」。1989年、ホーチミン市の人口がまだ400万人に満たない頃、道に人はまばらで高層建築や移住者も少なく、「飲める」物といえばCon Cop社の炭酸入りの軽い酒しかなかった。
Tiいわく、「ホーチミン市で新しい仕事を生み出してきたのは移住者」。面白いのは、これら新しい仕事が出身地で異なることだ。落花生とうずらの卵を売る女性を見てTiは、「絶対Quang Ngai省Son Tinh県出身」と言う。尋ねてみると女性は笑ってうなずく。

 全国各地からの移住者によりさまざまな仕事が生まれているが、最も多いのが各種の行商だ。Quang Ngai省出身者に多いのが、飲み屋周辺で商売する落花生・うずらの卵売り、焼きせんべい売り、肩に道具を担いだ徒歩でのキーホルダーと革財布売り、麺売り、豚の内臓がゆ売り、宝くじ売り。Thanh Hoa省出身は瓶・缶回収、胸に道具をぶら提げたキーホルダーと革の財布売りが多い。

 Bac Ninh省出身は自転車での移動マッサージ、Ha Tay省出身は台車の果物売り、Nam Dinh省出身はネズミ捕り売り。焼肉サンドイッチならAn Giang省、ヘビ・カメ売りならBac Lieu省かCa Mau省といった具合だ。靴磨きの少年たちは活動地域で出身が異なる。1区、3区はNam Dinh省出身、Binh Thanh区、Go Vap区はThanh Hoa出身、6区、Binh Tan区、Tan Phu区はメコンデルタ出身者で、違う地域で活動すれば、たちまち攻撃される。

 Tiは家族とともに5区郵便局付近の華人エリアに住んでいる。再会した日、Tiは私を6区Nguyen Van Luong通りに息子のために建てた家に連れて行き、ついでにLy Chieu Hoang通りの同郷のお宅に寄った。辺りの数十軒はみな、HueのHuong川下流のTrieu Son Dong村出身者だ。土地が非常に安かった時代の1975年に、同村のある男性がホーチミン市に移住しこの辺りの土地を買った。男性が開いた小さなフエ料理店は次第に繁盛し、大勢の客で賑わう現在のLy Chieu Hoang通りのレストランHuong Giangとなった。

 移住先での困難を乗り越えるため、彼らは一カ所に集まることを好む。同郷の人々と隣り合うことで故郷への想いの慰めにもなる。
Quang Nam省、ダナン市出身者が集中する地域としてはBay Hien十字路近辺が知られる。Tan Binh区14・15街区、8区Pham The Hien通り、Cha Va橋近辺、Binh Thanh区Thanh DaエリアにはHue出身者が集中する。Quang Ngai省出身者はBinh Tan区Bon Xa十字路周辺、Binh Chanh県Xang橋エリア、Long An省境に集中している。

 メコンデルタからの移住者は、6区や8区、Binh Tan区、Binh Chanh県など少しでも故郷に近い場所を好む。北部出身者のエリアは広く、Tan Son Nhat空港周辺、2区Tran Naoエリア、12区やGo Vap区などの軍機関周辺に集中している(実際にはNghe An省、Ha Tinh省、Thanh Hoa省など北中部出身者も多数いる)ほか、2区、9区、Thu Duc区など故郷へ帰る高速バスが走る国道付近にも広がる。

 食文化はいつも故郷を離れる人と共に広がる。ホーチミン市ではいたるところにハノイのフォー屋や料理屋があり、Nam Dinh省、Ha Tay省からは各種犬肉料理が持ち込まれ、フエ料理も数え切れないほど。メコンデルタからはMy Tho風米麺、魚がゆ、ドジョウ鍋が広まった。

 移住者と言えば同郷会の存在も見逃せない。ホーチミン市の人口が300万~350万人だった1980年代には省単位だった同郷会も、今は村単位となった。地方別の移住者統計はないが、Nghe An省出身が最も多いと見られる。「Nghe An出身者の会合を開くならThong Nhat競技場を貸しきらないと」と同省出身の男性は言う。同郷精神に大切なのは先に移住した者が後から来た者を助け、仕事の口を探しあい、美味しい店や家を建てる場所を教えあい、友人を紹介しあい縁談をもうけることだ。

 Quang Ngai省出身の行商の女性が、同郷の行商の子供はみな大学へ通っていると誇る。サイゴンで毎日苦労して稼いだお金が、彼女たちの子供や親戚の将来を支えている。遠くはなれた故郷が自然災害にあった時に、協力し合い故郷へ物資を送るのにも心を動かされる。サッカー観戦も、住んでいる街より出身地のチームの応援に身が入る。

 Tiが宝くじ売りをやめたのは1990年代初め、衣料品の東欧輸出が黄金時代だった頃だ。開業したばかりの親戚の衣料品工場で工員として働き、学びながら働いた2年後に、宝くじ売りで稼いだ資金をもとに、小さな工場を持った。東欧輸出が危機に面した時にTiは、An Dong市場で国内市場向けに卸した。

 だが現在は移住者が、新しい職業や土地を買って簡単に裕福になれる時代ではなくなったようだ。移住者がホーチミン市で裕福になれるチャンスはとても小さく、Tiのように宝くじ売りから成功する人も稀になりつつある。株やハイテクで裕福になれるのは、ここで安住し、ある程度の資金がある人や、深い知識がある若い移住者など一部のみだ。残りほとんどの移住者は「暮らしていける」程度。

 ホーチミン市は以前ほど魅力的な土地ではなくなったのかもしれない。統計によると、一時滞在を含めホーチミン市の人口はおよそ900万人。だが各工業団地周辺では「急募」の広告があちこち貼られている。200人の募集に対し、この数カ月で応募が20人に満たないケースもあり、人を紹介した工員は給料1カ月分の手当てを出すと経営者が言ってもさっぱりだ。

 無職の移住者でまかない、数年前には溢れるほどいた建築補助の仕事も今は人材不足。正規職人の日給7万ドン(約4.3ドル)に対し補助の日給を6万ドン(約3.8ドル)まで上げても、補助を見つけるのは難しい。12区、7区で工場を持つ台湾企業では、「金」のように貴重な工員のために寮を建設し、無料インターネット室を設置している。

 誰もが知るように、ホーチミン市の発展は移住者の貢献が大きい。移住者たちはこれまで長い間、権利や住居、戸籍などの問題により、子供が公立校へ通えない、バイクを買えないなどの不利益に耐えてきた。近年ホーチミン市が移住者に有利な政策をとろうとしていることは、とても喜ばしいことだ。

(Doanh Nhan Sai Gon)

(2007/07/26 07:55更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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