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コラム

ベトナム:爆弾で生きる村


 Nghe An省Dien Chau県Dien Hong村Nam集落に着くと、そこには鉄の山があった。鋸や鑿を打つ金属音で騒がしく、耳が痛い。

 灼熱の空気のなか、国道1号線からトラックが道を折れ、茂みに消えた。車が停まると、待ち構えていた10人ほどの若者が荷を降ろす。

 彼らは様々な大きさの爆弾を手渡しで降ろし、積み上げていく。ガチャガチャという金属音は身震いするほどだが、爆弾を手でひっくり返しながらNghiaという青年が説明した。「外側だけか、火薬が残っているだけで信管は抜いてあるから死にやしない」。説明を聞いてもなお「危ないって!」と私の袖を引く友人。若者たちはそれを見て笑い、無邪気に仕事を続けた。

 Tという荷主の家に行った。水タバコを吸い終えるとTは、庭の隅にうずたかく積み上げられた山を指し言った。「他(の廃棄物)より儲かるんだ。でもだんだん数が減って高くなってるから、誰でも扱えるわけじゃない。村には廃棄物の買取と加工をする業者が数百あるが、爆弾を扱えるのは数えるほどだよ」。

 話によると、ラオスの森で集められた爆弾は業者に渡り、そこで信管や火薬を抜く簡単な作業を行った後、ラオスからトラックでDien Hongに持ち込まれる。1日平均15~20台のトラックがやってきて、量は数百トンにもなるという。

 Dien Hong工業団地の裏手にあるBの工場へ行った。なかでは工員らが一心不乱に廃棄物を分けている。屑鉄はぞんざいに集められていたが、爆弾は丁寧に扱われ、大きさや火薬の有無で分類される。「小さい爆弾はそのまま炉に入れるけど、大きなものは細かくしなきゃならない。不発弾や火薬が残ったものは、職人が鑿や鋸で火薬を取り出す」と工員が言う。

 Dien Hongは大多数が農家の村だった。だがどこからかやってきた屑鉄業者がまたたく間に金を儲け、家を建て、車や奢侈品を買うようになったのを見た地元の人々が争って廃棄物を集めるようになり、廃棄物加工や炉を持つ工場を建て、Dien Hongはにぎやかな「鉄市場」となった。いまや廃棄物・鉄の買取・加工では、北中部随一の規模を誇る。

 村の数百戸が携わる廃棄物の買取・加工業はすでに村の主産業となっており、村人民委員会の資料によると、これら小規模工業の毎年の収益は280億ドン(約175万ドル)前後、村財政の32%に及ぶという。

 高校を卒業した村の子供達は、大学に合格しなければ村に残るしか道はない。屑鉄業は農業よりもずっと収入がいい。だが、危険はすぐ隣に潜んでいる。

 忘れられない事件がある。Kが火薬を取り出そうと爆弾を削っていたところ、突然爆発した。手の中で爆発したため、彼の両手はめちゃくちゃになった。炉の中に、信管の残った爆弾が紛れ込み爆発、大きな炉が倒れ、溶鉄が溢れ出したこともあった。幸い工員らは難を逃れたが、「いつか巻き込まれるかもしれない」とはみなの共通の思いだった。

 「廃棄物の山の中で爆弾が爆発したら?」と尋ねると、Bはこう答えた。「信管が残っているのを見つけたら、慎重に村はずれに持っていく。運悪く爆発したら、工場の人たちだけでなく住人皆が危ないから。危険なのはわかっている。でも他に稼ぎようがない」。

 廃棄物取引は以前、個々の自由で行われ、汚染を引き起こしたり、交通の妨げになったりしていた。最近では多くの業者が工業団地に入り、取引・加工は以前よりずいぶん管理されるようになったという。村人民委員会は「火薬・信管の残る爆弾を取引する者は50万ドン(約30ドル)超の罰金を科す」と定めており、再犯の場合は営業停止となる。

 村を離れる際に振り返り、冷たい爆弾の山と格闘する人々の姿を眺めた。この平和な村に、爆発音が鳴り響かないことを祈るばかりだった。

■国連統計(2006年4月)によると、信管の残る爆弾や地雷等の影響を受けている国は現在世界で84カ国。毎年1万5,000~2万人が死傷している。ベトナムでは国土の20%、中部と南部を中心に、戦時の爆弾や地雷、爆発物が35万トンある。これによりすでに4万人近くが命を奪われ、およそ6万6,000人が障害を抱えている。


(Sai Gon Giai Phong)

(2007/07/09 08:11更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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